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天気にまつわるエトセトラ

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天気と文化、地域に伝わる伝承のまとめです。
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#落雷

+の落雷 -の落雷

3月30日~4月3日頃は第十二侯「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」です。季節の変わり目は天気が変わりやすく、雷が鳴りだす時期です。先日(3月20日)は関東地方でも春雷が轟きました。 雷とひと口に言っても、地上に落ちる対地放電、雲から雲へ飛ぶ雲放電、雲の中で光る幕電など、色々な種類に分類されています。そのなかで落雷と呼ばれるのは対地放電で、雲と地面(地上物)の間に起こる放電です。落雷の中にも正極性落雷(+)と負極性落雷(-)がありますが、関東付近でよく見られるのは積

青天の霹靂

青天の霹靂(せいてんのへきれき)という言葉をご存知でしょうか?突発的な大事件など、予想もしていなかったことが起こることを意味する言葉です。元になっているのは雷で、青く晴れた空に突然起こる雷の意味から、上記ような例えとして使われるようになりました。英語でも同じ意味を持つ言葉があり、Bolt from the Blue を日本語訳すると青天の霹靂になります。似たものに、Out of the Blue がありますが、こちらは突然や予想外を意味する言葉です。 雷の発生には積乱雲が必

北関東のライサマ大暴れ

7月10日から13日にかけて北関東では激しい雷雨にみまわれ、4日間全てに突風被害が発生しました。12日を除く3日間積乱雲を追って出動していましたが、いくつもの積乱雲が次々にわいてくるような状況で、竜巻注意情報を知らせる防災無線が鳴り響く中で撮影を行いました。余談ですが12日は不覚にも午前中に熱中症になってしまい、午後になっても体調不良が続き出動することが出来ませんでした。 7月10日レポート 7月10日、午後になると北関東の山沿いで次々に積乱雲が発生、夕方になると平野部

清涼殿落雷事件

6/26日は雷記念日です。なんとなく気象に関係がありそうな記念日に思えますが、中身は政治的な策略がドロドロと渦巻く事件があった日です。 延長8年6月26日(830年)平安京の清涼殿に落雷があり、大納言の藤原清貫が死亡します。他にも多数の死傷者が出て大混乱になったそうです。この落雷が政治的策略で大宰府に左遷された菅原道真の怨霊が雷神を操って起こしたものと噂が流れて、のちに道真が神格化されたという事件です。 藤原時平の策略により大宰府に左遷された菅原道真は、名誉を回復できぬま

雷撮影は情報戦

雷撮影に必要なスキルを割合で示すと、情報収集と土地勘が7割、気象の知識が2割、撮影技術が1割といったところでしょうか。撮影技術は続ける間に自然に身に付くのでそれほど重要ではありません。気象の知識は積乱雲が発生する条件や雷の特性がわかっていれば十分です。 そして最も重要なのが情報収集と土地勘(土地勘も情報のカテゴリ)です。積乱雲の発生には色々な条件がありますが、鍵となるのは上空の寒気です。上空の寒気の状況を知るためには地上天気図ではNG、もっと高いところの天気図が必要です。7