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カンリーがStoreHR総合研究所を設立した理由とは?

初めまして。株式会社カンリーです。
この度「店舗におけるHR課題をテクノロジーで解決する総合研究所」として、StoreHR総合研究所を設立いたしました!

記念すべき1本目の発信になるので、弊社がなぜ本研究所を立ち上げたのか、またどんな世界観を目指すのかなど、お伝えしたいと思います。
最後までお付き合いいただけましたら幸いです!


StoreHR総合研究所とは?

「StoreHR総合研究所」とは、飲食店をはじめとする店舗事業者におけるHR課題をテクノロジーで解決することを目指す研究所です。

「店舗におけるHRのtechの可能性を考えていく」ことをテーマに、例えば飲食店などこのマーケットで働くスタッフがより、この仕事に誇りを持ち、店舗で働く時間をより幸せな時間として費やせるようにStoreHRの領域を通して、事業と社会を一歩先に進めていくための機会を創ってまいります。

設立の背景

プレスリリースには、設立の背景を下記の通り記載いたしました。

2035年には、日本国内で「1,775万時間/日の労働力不足」(働き手で換算すると384万人相当)が推計されており、うちサービス、卸売・小売、医療・福祉業界だけで不足労働力の約62%にあたる「1,112万時間/日の労働力分足」(働き手で換算すると241万人相当)を占めると言われています。(※1)
労働力不足の解決に向けて、様々な働き手の活躍機会を創出すること、また技術の活用や働く人の育成による労働生産性の向上が必要とされる中、カンリーでは「店舗におけるHRに関する課題をテクノロジーで解決する」第2の事業として24年8月よりHR事業部を発足させました。
現場で働くスタッフや店舗を運営する本部・経営陣には、店舗事業者として乗り越えていくべき多くの課題やテーマがあります。弊社が掲げる「店舗経営を支える、世界的なインフラを創る」というミッションのもと、「店舗におけるHRに関する課題をテクノロジーで解決する」支援となる情報発信や活動を目的として発足したのが「StoreHR総合研究所」です。
引用元:(※1)パーソル総合研究所、労働市場の未来推計2035

弊社プレスリリースより一部抜粋

せっかくなので、もっと詳しい話を本人たちからききたい!
ということで、本研究所の主要メンバーに改めて設立の理由など話していただきましょう!

主要メンバーご紹介

所長 萩野 貴拓

高校時代に開発したソフトウェアで起業し、大学在学中からHRテック企業でチーフエンジニア、採用領域の事業責任者を経験。その後、株式会社ビズリーチで、求人検索サービスや研究開発部門の立ち上げに従事。AI技術を活用した革新的な製品の開発をリードし、在籍中に同社で最多となる特許を発明。求人作成、ソーシング、スカウト、書類選考、職務経歴作成など採用プロセスのあらゆる仕事をAIにより自動化するソリューションの実装を手掛けた。また、技術顧問や社外CTOとして多くの企業を支援する傍ら、技術書の執筆やオープンソース活動など国際的プロジェクトで日本の代表を務める。

フェロー 田口 弦矢

2001年新卒でインテリジェンス(現:パーソルキャリア)に入社し、2003年からサイバーエージェントでHR領域の責任者、HR子会社代表、事業会社等に従事。2013年独立し、HR領域のプロフェッショナルとしてだけでなく、組織戦略や事業戦略コンサルティング領域で、上場前後の数十社の事業会社の顧問や役員および大手企業子会社役員を歴任。HRtech事業会社の取締役CPOとして事業売却後、現在もカフェ・カンパニーCHROをはじめ、複数社の役員・顧問を務める。

“店舗”のあり方について考える

編集:今回、どのような経緯でStoreHR総合研究所を設立することになりましたか?

田口 :カンリーは「店舗経営を支える、世界的なインフラを創る」をミッションに日々事業を推進しているようですが、そもそも”店舗”ってどんな場所なのか、どういう機能を持つのかを考えてみました。

日本の店舗環境は大きな転換期を迎えています。
例えば、みんなの記憶にある駄菓子屋ってよかったよね。

萩野:町の子供達があつまる、良い場所でしたね。

田口 :あれは、単なる店舗ではなく、子供達や近所の人たちがいつも行き交う場所に出会った人等が集まるコミュニティでもあったと思うんだよね。同様に、いわゆる昔ながらの町中華もそう。近年、ラーメン屋さんは倒産件数は増加していると言われているが、いわゆる町中華の店舗数はラーメン屋ほどの現象のかわりがないと言われるのは、時流を捉えたメニュー構成もあるはずだけどそれだけではないと感じていて、町中華は、チェーンとは異なる雰囲気やお店でのおやっさんとの会話も魅力の一つだから、通うお客様がいる。なんというか、お店に求めるあり方が見えてくる気がするな、と。

一方で、かつての「駄菓子屋」や「町中華」が象徴していたコミュニティ機能は、一時期3rdカフェブームが増えたことで、町のカフェがその役割を補いはじめていた。今もそれは続いているとは思うけど、リモートの波で同時に多くの飲食チェーンのカフェ化現象も起きており、場所の意味が変わって今や急速に失われつつあると感じたりしていて。

効率の象徴とも言えるコンビニエンスストアは商品数が増え、常にセレクトされて効率追求の「工場」と化し、人間味は消えつつある。効率が上がり(店舗運営において効率はとても重要!)、より多くの人に利便性高く商品を届けることはできるようになったが、人が店舗で働く楽しさや関わりがいという点ではまだまだ課題が残されているのではないかな。

一時期、コンビニ内のカフェ化も広がったと思ったら、やはり機能の意味が違ったことでスペースが商品陳列に戻されるという現場にもなっている。
人が解する価値、を中心においた時、やっぱりお客様にとってもスタッフにとっても、何が価値で楽しさだったんだっけ、みたいなところから、もう一度考えてみるのはどうかなと思うんだよね。

萩野:それ、確かにそうですね。
興味深いのはなぜ「ラーメン屋が潰れているのに町中華は生き残っているのか」という点。その答えは、単なる効率性ではなく、人間が求める本質的な価値にあるように思えます。

今の店舗って両極化しており、効率化を極めたコンビニエンスストアは完全に工場。工場化されるコンビニの中で、その機械を操作するのが今のコンビニスタッフ。

田口:その逆張りが例えば高級オーベルジュのようなサービス特化型だとすると、町中華は中間くらいですかね。


萩野:そうですね。いわゆるチェーン店舗化はされていないけれど、最高級サービスまではいかない、個人のこだわりがでているお店。「こだわり」。

萩野:今後、効率化がどんどん加速する中で1と2が両極化していくだろうことを考えると、多分この中途半端なエリアに位置する店舗がなくなってくることも予想できる。その時、今の店舗従業員、特にアルバイトスタッフに求められている役割はこの両極端化する間に位置しそうですよね?この人たちを、もっと付加価値をつけて2に寄せていくことが、給料を上げる一つの方法のように思います。

田口:付加価値がつかないと、単価はあげられないですね。

萩野:ですよね。
そうすると、店舗のHR = StoreHRを語る・研究するとは、そもそも店舗のビジネスがどうあるべきか、を研究することであり、今後テクノロジーがあることで今のビジネスの殻をどう破っていけるのか!という議論をしなければならないのではないか、と思います。

田口:そうですね。
おそらく、僕らが研究したいのは「工場化モデル」ではなく「コミュニティ中心モデル」の方。ラストワンマイルをドローンで配送とか、AIを使ってお客さま判定する、ではなく、今の労働力をどうやって付加価値づけるのか、どうやってより多くの労働力を2寄りに持っていくのか、が思想に近いと思う。何をテックに頼り、どこを人に頼るのか。
どんな要素があれば、店舗で働く人も含めてハッピーで、お客さまもハッピーなのか。

目指す世界観

編集:「何をテックに頼り、どこを人に頼るのか」、面白そうです!

萩野:私たちが本当に向き合いたいのは、店舗における『人』の本質的な価値なんです。
時代背景も加味すると、物事が大きく変わるのは「技術の変革」「社会人口動態の変革」が起こる瞬間です。AIの急速な進化が起きているこのタイミングで、人口の急激な変化が起きて人手不足になっている。この状態で、店舗は今ビジネスモデルと戦略の変化が求められています。テクノロジーやマーケティングの話は色々なところでお聞きしますが、意外と店舗に関わる”人”の話ってあまり語られる機会がないように感じます。そこに対して、我々がStoreHRを研究する専門的な会社として、何かしら一石投じられるよう頑張りたいなと思います。

田口:効率化は大切ですが、それは手段であって目的ではありません。
これまでのテクノロジーは、店舗運営の効率を上げることに注力してきました。これはこれでとても重要です。しかし、我々が考える本当に大切なことは「働くスタッフの価値」であり、「接客やサービスなどにあげられる、お客様に直接的に接することでしか届けられない仕事の楽しさ」ではないでしょうか。

萩野:なので、今後このStoreHR総合研究所では、未来のStoreHRに関するロードマップなんかもださないとですね!

編集:が、がんばりましょう…!(どきどき)
ちなみに、お二人が目指す世界観に近づけたとして、社会はどう変わるのでしょう?

萩野:一番分かりやすいのは、1人当たりGDPの向上ですね。
時給1,500円で働いている人の時給が3,000円になる、10,000円になる世界を作りましょう、という。
経済的な面に置き換えると、生産性の向上、でしょうか。

例えば、スイスに行くとちょっとしたモーニングだけで軽く5,000円くらいかかるけど、日本だったら500円程度で食べられるとして。この10倍の生産性の差がなんなのか、これを問うていかなければならない。

田口:結果時給が上がるのは、分かりやすく嬉しいよね。企業からすると、大変なことになってるんですけどね(笑)。人件費だけでなくて光熱費も食材費も上がってるし。だから、企業側も同時に課題を解決しない限り、特例は別として、結局給料だけを上げることは難しい。
じゃあ企業側の解決方法はなにか、というと、会社の方針(= どんな店で、どんな価値を提供したいのか)テックの活用(= どこにテックを活用することで差別化するのか)だと思います。

萩野”人”の付加価値を上げるために、そもそも企業のビジネスモデルを変えましょうってことですね。

極端な例え話をすると、チェーン展開しているカフェに入って夜お酒を頼むと2~3,000円で気軽に呑めるんですが、もしこれがスナックでママの接客をうけたとすると単価2~3万円軽く飛んでいく。要するに、チェーン店でスナックのママレベルの接客ができるビジネスモデルができれば生産性が10倍上がるよね、ってことですね(笑)!

最後に(編集後記)

いかがでしたでしょうか?

「私たちは、店舗における”人”の価値を再定義したい」と所長・萩野は話していましたが、まさに単なる効率化ではなく、人が解する価値を再定義することで、日本全体を元気にできると考えています。
これからStoreHR総合研究所では、店舗におけるHR課題をテクノロジーで解決することを目指して、市場の現状分析やトレンド調査をはじめ、さまざまなプレーヤーにお話を伺いつつ、未来を考えるためのヒントを発信していきたいと思います!

今後はいくつかの軸で関連情報を定期的にお届けできればと思いますので、ぜひまたいらしてくださいね!
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