採用難時代を突破する!人材不足解消のヒントまとめ
こんにちは!StoreHR総合研究所 編集部の須佐です。
街を歩くと、たくさんの飲食店や小売店が軒を連ねていますよね。最近「スタッフ募集」の貼り紙をよく見かけませんか?実はこの人材不足、多くの店舗経営者を悩ませる深刻な問題です。本記事では、この採用難時代の背景と、乗り切るためのヒントを探ってみたいと思います。
店舗業界の人材不足は深刻で、有効求人倍率は高水準を推移中
特に業種別に見ると「飲食・宿泊」では採用活動実施率が直近1年以上右肩上がり
解決のヒント
主に採用戦略、職場環境改善、長期的な視点の3つが必要
採用戦略
採用チャネルの多角化、テクノロジー活用、採用プロセスの最適化
職場環境
働きがいのある職場、ワークライフバランス、スキルアップ機会、福利厚生を充実させる
長期的な視点
外国人材活用、業務効率化・自動化、新しい働き方の模索など
自社に合った適切な対策が何かを見極め、講じる必要がある
人材不足の深刻な現状:数字で見る店舗業界の危機
飲食店や小売店をはじめとする店舗業界は、深刻な人材不足に直面しています。
厚生労働省の統計によれば、有効求人倍率は高水準で推移しており、特に飲食・小売業は慢性的な人手不足に悩まされています。マイナビ「非正規雇用に関する企業の採用状況調査(2024年9-10月)」によると、アルバイトの不足感は2022年7-8月以降30.0%の水準で推移しており、直近は4割弱で横ばいが続くなど、慢性的な人手不足感に拍車がかかっている様子がうかがえます。業種別にみると、「飲食・宿泊」において不足感が特に高く、採用活動実施率もここ1年以上右肩上がりです。この状況は、事業の成長を阻害するだけでなく、従業員の負担を増大させ、サービスの質の低下にもつながる可能性があります。
人材不足の真の原因:多角的な視点で紐解く
人材不足は単一の要因ではなく、複数の要素が複雑に絡み合って生じていると考えます。
労働人口の減少
少子高齢化の進行は避けられない現実です。生産年齢人口の減少は、労働力供給を逼迫させ、人材獲得競争を激化させています。また、他業界、特に待遇の良いIT業界などへの人材流出も無視できません。
労働環境への意識変化
従来の待遇面だけでなく、ワークライフバランス、スキルアップ機会、企業理念への共感など、求職者の価値観は多様化しています。働きがいのある職場環境を提供できなければ、優秀な人材を惹きつけることはできません。
テクノロジー進化の影響
AIや自動化技術の進展は、一部の職種を代替する可能性がある一方で、新たな雇用も創出しています。デジタルネイティブ世代の台頭も、企業の採用戦略に大きな影響を与えています。彼らは、デジタルツールを使いこなし、情報収集力が高く、企業の透明性や社会貢献性も重視する傾向があります。
解決策の提示:戦略×環境改善×未来への投資
マイナビ「アルバイト採用活動に関する企業調査(2023)」によると、アルバイト人材確保のために実施した施策は「給与の増額(33.5%)」が2020年から連続で最も多くが一番多かったそうですが、全ての店舗で給与の増額が実現できるわけではありません。
次いで「スポットワーカー(※)の受入」が+3.1ptとなり、多様なニーズに合わせて柔軟に働けるように正社員・限定正社員制度の導入やスポットワーカーの受入を実施する企業が増えたことがわかります。
※直接雇用で、空いている隙間時間、可能な仕事を単発等で担う労働者とする
そこで、複雑に絡み合う人材不足を解消するためには、短期的な対策だけでなく、中長期的な視点も踏まえた多角的な視点を持ち、自社に一番合う戦術を見極める必要がありそうです。
採用戦略
採用チャネルの多角化: 従来の求人媒体だけでなく、リファラル採用やダイレクトリクルーティング、アルムナイ、他SNSなどを活用し、多様な人材プールにアプローチ
テクノロジー活用: 採用管理システムで応募者管理や選考プロセスを効率化し、AI面接ツール等で過剰な業務やミスマッチを減らす。マッチングプラットフォームを活用して、潜在的な求職者へのリーチを広げることも必要
採用プロセスの最適化: 応募から採用決定までの期間を短縮し、面接方法も工夫することで、優秀な人材の獲得機会を逃さないようにする手段も不可欠
職場環境改善
働きがいのある職場づくり: 従業員が働きがいを感じる仕組みを整え、成長できる環境を整備することで、定着率向上に繋げる
ワークライフバランス: 柔軟な勤務形態や休暇制度の充実など、従業員のライフスタイルに合わせた働き方を支援
スキルアップ機会の提供: 研修制度や資格取得支援など、従業員の成長意欲に応える機会を提供
福利厚生: 健康保険、厚生年金といった基本的な福利厚生はもちろん、育児・介護支援、社宅・寮、社員割引など、従業員のニーズに合わせた福利厚生を充実させることが重要
長期的な視点
外国人材の活用: 外国人労働者の受け入れ体制を整え、多様な人材を確保
業務効率化・自動化: テクノロジーを活用し、業務プロセスを効率化・自動化することで、省人化を実現
新しい働き方の模索:ギグワーカーやシェアリングエコノミーなど、新しい働き方を積極的に取り入れることで、人材確保の選択肢を広げる
まとめ
人材不足は、店舗業界全体の課題です。
現状を正しく理解し、貴社に合った適切な対策を見極めた上で行動に移すことで、人材不足を乗り越えましょう!そのためには、テクノロジーをどこで使うか、何に使うかの取捨選択が必要ですね。
次回からは具体的な施策や企業事例などもご紹介します!