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変わる働き方に対応!柔軟な人材活用を目指すスポットワークの活用法とは?

こんにちは!StoreHR総合研究所 編集部の須佐です。

店舗経営において、人材確保は事業の成功を左右する重要な要素です。
しかし、近年は採用コストの高騰や人手不足が深刻化し、多くの店舗経営者を悩ませています。同時に、働く側も多様な働き方を求めるようになり、従来の雇用形態だけでは対応が難しくなってきていますよね。

このような状況下で注目を集めているのが「スポットワーク」という新しい働き方です。
今回は、アルバイト・パートの働き方の変遷を振り返りつつ、スポットワークのメリット・デメリットを整理し、そして人材活用の戦略について考えて行きましょう。



  • 人手不足や採用コストの高騰を背景に、企業と労働者のニーズに応える新しい働き方「スポットワーク」が注目されている

  • 従来のアルバイトやパートでは対応しきれない短期的な人材ニーズに応える働き方で、企業と労働者双方にメリットをもたらす

  • 採用コスト削減や柔軟な働き方を実現する一方、短期間での教育や定着率の低さが課題

  • 企業は教育コストや業務範囲の明確化など課題への対応が必要であり、戦略的な導入と活用が求められる

アルバイト・パートの働き方の多様化と歴史的変遷

アルバイト・パートの働き方は時代とともに変化してきました。

1970~80年代の高度経済成長期には、厚生労働省が初めてパートタイム雇用の調査を実施し、「女子パートタイム雇用対策要綱」が策定されるなど、この時期、パートタイム労働は主に既婚女性の副業として位置付けられ、正社員との棲み分けが進んで行きました。家事や育児と両立しやすいパートタイム労働は、既婚女性にとって貴重な収入源となりました。

続く1990~2000年代は、バブル崩壊後の景気低迷を背景に非正規雇用の需要が急増しました。企業は人件費抑制のため正社員の採用を控えるようになった結果、非正規雇用が大幅に増加し、フリーターなど若年層の非正規雇用が社会問題化。非正規雇用を景気の調整弁として活用するようになりました。

そして2010年代以降、働き方改革の推進や慢性的な人手不足、デジタル技術の発展により、スポットワークという新たな働き方が登場しました。必要な時に必要なだけ働けるスポットワークは、企業と労働者双方にとってメリットのある働き方として注目されています。実際に、非正規雇用労働者の割合は1985年の16.4%から2022年には36.9%まで増加しており、多様な働き方が広まっていることが分かります。

参照元:厚生労働省|「非正規雇用」の現状と課題 をもとに弊社で作成

スポットワークとは?

スポットワークとは、単発または短期間で働く、いわゆる「スキマ時間勤務」の働き方です。従来のパート・アルバイトとは異なり、雇用契約を結ばずに単発の仕事ごとに契約を結ぶケースが多く、勤務日数や時間も柔軟に設定できます。

スポットワークが注目される理由は、企業にとっては必要な時に必要な人員を確保できる柔軟性というメリットがあるためです。一方、労働者にとっては自分の都合に合わせて働ける自由度の高さや即日払いが魅力となっています。

企業側のメリット・デメリット

近年、一気に広がっているスポットワークですが、企業にとってどんな良さや活用の難しさがあるのでしょう?

<メリット>

  • 柔軟な人員確保

    • 繁忙期や突発的な欠員発生時など、必要な時に必要な人員を短期的に確保できる

  • 採用コスト削減

    • 募集広告費や面接にかかる時間、採用手続きなどのコストを大幅に削減

  • 新しい人材との出会い

    • スポットワークを通じて、優秀な人材を発掘できる可能性あり

<デメリット>

  • 教育コスト

    • 短期的な雇用のため、都度業務内容を教える必要があり、教育コストが発生

  • 定着率の低さ

    • 単発の仕事であるため、長期的な雇用関係を築きにくく、定着率が低くなる可能性が高い

  • 業務の質の担保

    • 短期間で仕事を覚える必要があるため、業務の質を一定レベルに保つことが難しい場合がある

  • コミュニケーション・チームワーク

    • 短期的な雇用のため、既存の従業員とのコミュニケーションやチームワークの構築が難しい場合がある

    • 現場のマネージャーも、スポットワーカーという新しい雇用形態のマネジメントや対応が求められる

スポットワークをうまく活用するためのコツ

では、スポットワークを効果的に活用するためには、どういったことに注意すれば上手に活用できそうでしょう?

  • 業務内容の選定

    • スポットワークに適した業務を明確にする必要があります

    • 単純作業や短期集中型の業務、また業務範囲の定義など、現場の実践に沿った切り分けが重要です

  • マッチングの工夫

    • 適切なスキルや経験を持つ人材を効率的にマッチングさせる仕組みが必要

    • 募集時の求人の書き方も工夫することで、業務に合ったワーカーとマッチングできる可能性があがります

  • 既存のアルバイト・パートとのバランス

    • スポットワークと既存のアルバイト・パートの役割分担を明確にすること推奨します

    • 他社の成功事例などを参考に、自社に合った活用方法を見つけることが重要です

上級者編:スポットワークの多様な活用事例

ここまで、スポットワークという新しい働き方について整理してきましたが、ここで上級編。最近は「短期的な労働力の確保として」だけではない活用も増えてきているようです。一部事例をみてみましょう。

  • スポットワーカーをリピーター化(大手居酒屋チェーン)

    • スポットワークで働きに来た方と仲良くなり、繰り返しシフトに入ってもらえるよう働きかける

    • 繰り返しシフトに入ってもらい、現場のメンバーや雰囲気にも慣れた上で、アルバイトとしてお声がけをすることで採用を効率化

  • 媒体への求人広告の代替として活用(大手飲食チェーン)

    • 「体験バイト」という位置付けでスポットワークの求人を掲載

      • スポットワークで実際に働くことで、お互いに面接以上の見極め効果が期待される

    • 媒体へのアルバイト求人広告を止めて、スポットワークを採用ツールと割り切って活用

  • 利用期間を区切り、アルバイト採用に集中(大手カフェチェーン)

    • 店舗の現場に期間を区切り(例えば3ヶ月限定!等)、スポットワークを使えるよう設定

      • 該当期間中に店長等現場がアルバイト採用をやり切れるよう動く

    • 期間を定めることで、目的を持ってスポットワークを活用するようになった

  • 人の充足状況に関わらず、毎日1件必ず求人掲載(居酒屋チェーン)

    • 人の充足状況に関わらず、スポットワークに毎日1求人を出し、新しいワーカーと出会える仕組みを構築

      • 例) 10店舗 × 1ヶ月間(30日)求人掲載 すると、約300名のワーカーと出会える計算

      • 求人広告と比較し、費用感・スピードともにコスパ◎

まとめ

スポットワークは、人手不足への打ち手や採用コスト削減の有効な手段となり得る一方、メリット・デメリットをよく理解した上で、戦略的に活用することが重要です。既存のアルバイト・パートとスポットワークを組み合わせ、最適な人員配置を実現することで、人材確保の課題を解決し、店舗経営の効率化を図ることができるでしょう。

なお、株式会社カンリーでは「カンリーワーク」という優良スポットワーカーや、かつてアルバイトとして勤務していた卒業生ら経験者即戦力人材として確保し、データベースを構築した上で、スポットワークのマッチングをサポートするサービスを提供しています。

「あ、この人またうちの店舗で働いて欲しいな…!」
「アルバイトを卒業しても、また時間があいたらいつでも働きにきて欲しい!」

こう言ったお悩みを、従来のスポットワークサービスと比較し、コスト負担少なく自社化できるのが特徴です。
もし気になったら、ぜひ一度お問い合わせください♪

あなたの店舗では、どのような採用課題を抱えていますか?
スポットワークは、その課題解決に役立つでしょうか?

働き方の新しい一つの選択肢として、一度、検討してみてはいかがでしょうか。

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