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リモートワークの縮減について
リモートワークでは実は生産性が下がって、だから、企業は、従来通り、従業員を出社させる方向に回帰しているという話を良く見聞きする。
こういうのに触れると、お勤めしている人は大変だなと思う。私は、職業人生を自営業で始めて、ほぼずっとそうで、今は会社を経営しているが、メンバーは皆リモートワークだ。コロナが発生したからではなく、その前から、最初からそうしている。
と言っても、取引している会社の人達と一緒に仕事をしている際に、彼らと自分の違いを何か感じることはない。こういう時にふと感じる程度だ。だが、その程度ではあっても、この違いは大きいのだなと思う。
しかし、その先が興味深かった。給料が少し下がってもいいからリモートワークを続けたいという人がいるそうだ。これは面白い。
こういう時には、そういうもんだ、被用者は会社の方針に従わざるを得ない、とそそくさと諦めるか、逆に、だから会社に雇われるような生き方をしていては駄目なんだ、独立せよ、とアジるかの、どちらかの発言を人はしがちになるのだが、先の人はどちらでもない。
住居に関して、二拠点生活、といったことが言われるが、これは、いきなりどっちか片方に決めるのは難しいし、それに、両方からいいとこ取りをするのがいいよね、という構えだと思う。リモートワークもこれと同じような考え方でやれば良いのだ。
だが、そのこと以上に重要なのは、彼が、会社にとっての生産性ではないものに気が付いたということだ。自宅にいることによって見える事は沢山ある。家族のことをはじめ、隣人や地域の事、そして何よりも、自分自身の事。多少給料は下がるにしても、それらは、彼の人生にポジティブな事共だし、そういう意味では、彼にとっての生産性を上げる要素とも言えるだろう。
しかし、更に加えて重要なことだと私が思うのは、個人と外部世界、ここでは会社ということになるが文脈によっては国家や自然環境がそれに当たる、その両者の関係をきちんと踏まえるのが大事だということだ。これは特に、先の、独立せよ、といった物言いに対してだ。戦術的な強調としてそう言うのならばともかくとして、そうでなければ、そうした物言いは片手落ちだと思うのだ。両者は非対称であるにしても、好むと好まざるとに関わらず、共依存している。それを無しにはできないだろう。それに、その共依存こそが、個人と外部世界の関係のあり方を変える手掛かりになるのではないか。時間はかかるし、変革というよりも調整だが、問題があれば共依存の内容を訂正していくというのが現実的な効果を期待できる方法のように思う。
ずっと自営の私がこう言うのは矛盾のようだが、私が自営なのは、上で言ったような筋立ての中に理由があるのではない。筋を選んでそうしているわけではないのだ。集団生活や上下関係が極端に苦手といったような、強く偏向した癖によっている。このスタイルしか持っていないと言ってもいい。切り分けられる複数のスタイルを持てるのであれば、やはりそちらの方が安心だと思う。