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列子は男尊女卑だったか

『列子』に由来する成語は数多いが、天瑞篇にある「男尊女卑」もその一つだ。しかし、そうした価値観の是認は道家らしくない。一方で黄帝篇には、列子が妻のために炊事をしたという話がある。それは価値観から解き放たれた、理想的な人の姿として描かれている。

これは一見矛盾に見えるが、『列子』が説話を原型に近い形で収録していることを示唆している。例えば『列子』と『荘子』には、共に「朝三暮四」の説話がある。しかし荘子は、それを自らの思想である「万物斉同」を説くために応用しており、より発展的になっているという違いがある。

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