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無用の恩赦・疑心暗鬼

無用の恩赦

邯鄲の民衆が元旦ということで、鳩を簡子に献上した。簡子はとても喜び、多くの褒美を与えた。〔簡子の〕客人がその理由を聞くと、簡子は「元旦に生き物を逃がすのは、慈悲深さを示すものだ」と答えた。客人はこう言った。

「民衆がそのことを知ったら、競って鳩を捕らえようとして、〔むしろ〕死ぬ鳩が増えるでしょう。鳩を生かそうとするなら、民衆に捕獲を禁じる方が良いです。捕らえておいて逃がすのでは、恩恵と災いが釣り合わないでしょう」

簡子は「なるほど」と言った。

疑心暗鬼

斧を無くした者が、隣人を疑った。歩いているのを見ると、盗人だ。顔色を伺うと、盗人だ。言葉を聞くと、盗人だ。振る舞いや態度を見ると、何もかもが盗人だ。〔しかしその後、〕ふと溝に落ちていた斧を見つけると、〔隣人は〕盗人には見えなくなった。


これらは『列子』説符篇の説話だ。「斧を無くした者」は、注に「疑心、暗鬼を生ず」ということわざが引用されていることで有名だ。

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