亡き王女のためのパヴァーヌ
数日前からこの曲が頭から離れなくなり、取り憑かれたように聴き続けている。これは1899年にラヴェルによって作曲されたもの。僕は普段クラシックなんて聴かないので詳しいことはわからないけど、冒頭のもの悲しいというかノスタルジックな旋律を聴くと、心がかき乱されてしまい、居ても立ってもいられなくなるくらいだ。なんなんだろう、この感覚は。たぶん数日もしたらなくなってしまうんだろうけど、とりあえずはそうなるまで僕はこの曲を聴き続けることになるんだろうな。どの演奏が良いとかよくわからないのでとりあえずvlado perlemuter という人の演奏するパヴェーヌを聴いている。とても落ち着いていてどことなく音の広がりに深みがある。音の主張が少ないので、旋律に集中しやすい。
でもこの曲から具体的な何かイメージが喚起されるというわけではなくて、それがちょっと不思議な気がする。何がこの曲をこんなに引きつけることになっているのか。僕が好きな曲はだいたい何かイメージが思い起こされてそれが結局その曲を好きになる要因になることが多い。この曲はどうなんだろう?ノスタルジックと言われればそんな気もする。でも何かを思い起こすわけではない。なんとなく、子供の頃に近くの山に登った時に感じた心地良さ、その懐かしさみたいなものは僅かながら感じられるけど、でもそれが全てではないと思う。しばらく聴き続けていたらわかるだろうか。あのディア・ハンターの「cavatina」にも近いような何かはあるような気がするけど、今はまだよくわからない。まあわからなくてもいいんだろうけど。