詩【アイスコーヒー的世界観の調べ】

作:ストーンヘッジ

透明なグラスの内側
にじいろに見える世界

溶けかけた氷と氷のあいま
すんと差し込まれたストロー

なまめかしい橋のアーチを構築するような
いくつもの正方形のレンガは汗ばみ
周りを囲む薄いガラスの塔に
支えられる形でよりかかっている

そこにわずかに残る
うっすらとした色合いのコーヒーは
逃げ場を失った迷い鳥のごとく
滞留したままで
延々と続く心細さと怒りによる演舞
時が経つことにまた期待しては
ぬるみをおびていく

さらばこの年甲斐もない世界よ!

覗き込めば
覗き込めばよいのか?
一筋の上方へと伸びる白色の筒

時にふさがることも少なくなり
より空への逃避は
容易になるように思えるも
その内実は
この世界の転覆への引き換えに他ならぬ

いまだ見ぬ外側の世界は
バラバラになったままの
心持ちに引きづられ
遠くへと消えていく

何も残らない秋みたいだ

それは遠くまで消えていくだけの

少しずつ少なくなる秋みたいだ

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