詩【カンダタ】

作:ストーンヘッジ

わりとないものねだりばかり
“あたり前”のことから逃げてばかり
すり減らす思い 笑いこける徴税人

話し合いではなく解説ばかり
果たし合いがしたいがために明かり
さんざめくもとでまた甘い話
誰の手先かわからない

水を水で割るような 竹を割ったような話
暮れに観るテレビかってくらい浮ついてる
阿漕でむさぼる
さらに腐った鯛

きりがないポーカー
ざっとなけなしの優しさばっか賭けて
仮初のぬるい温かさに恥ずかし気もなく頼って

四季がない造花 美しさを決めるのはその手だけで
明け透けな笑い顔引っ叩く 同じ手で
行き場のない思いをまた
取り立てられる

チラチラっと横の方を見てばかり
一丁前のフリして語る化かし
やめろよその声色イラつくばかり

そんな奴等とすれ違うばかりの
毎日は良くも悪くも盛り
頭どうかしてんじゃないか
渡りに舟はない
それが常

金にもならないようなことを続けてきただけの話
古い冷蔵庫にこびりついたシールの跡のよう
いじらしく残る
最後の手札も

寝穢いジョーカー
起きた頃には全てが後の祭で
なし崩しのこの思いまでも
またひったくるつもりだろ

切り離しそうな細い糸 
犍陀多の善と悪を混ぜて
ありったけの笑い・揶揄差し上げる即座に
勝ち負けすらない虚しさに
駆り立てられる

化石と化してる運命を
手繰り寄せては傷つける
修復は夢のまた夢
忘れられたアートギャラリー

移り気に揺れる糸杉と
妖しく光る三日月も
朧げな記憶の額に収められて
誰かを待つだけ

意味がないような快楽
寝静まらぬこの世の終わりで
待ちぼうけ食らった闇の中
垂れ下がった蜘蛛の糸

染み渡る今日が
相対してきた昨日までの己で
繰り返し描かれる度にブレるモチーフ
足下に目をやり
偶然の気まぐれをおこす


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