詩【フラペチーノ】
作:ストーンヘッジ
行き先がある人間はフラペチーノを飲まない
バカでかい慌ただしい町のど真ん中
比較的小さい、大手コーヒー屋の店舗
そもそも店に席はなく
人が訪れては、すぐにそこを去っていく
ジュクジュクした土地の谷底の町
この町にいると
目に映るすべてに
巨大な企業体に
あっという間に飲み込まれそうで
膨大な思考と人流に含まれていく
目的があって抗うのは
総体に逆らうのとどう違う?
奪い合うための席もなく
そこはただ人が訪れては去る場所
行き先がある人間はフラペチーノを飲まない
ジュクジュクした土地の谷底の町
空へと伸びる建物の低層
訪れては去る人が
上り下りを繰り返す