リハビリテーション

足の自由が効かなくなって2年ほど経つ。
それでもチャリに跨って行けるところまではいけてた。

最近はそのチャリにも跨がれていない。
通院時に一度転んでしまい、病院からチャリ通院を止められたのだ。
だから、日々の通院はクリニックの送迎車で済ませている。

引き算として考えるとどんどんマイナスである右辺が大きくなっている。
強い運動を禁じられてからも続けていて、こいつが俺の生涯スポーツだなと思っていたビリヤードにもとんとご無沙汰している。
ホームの球屋では多分死亡説が流れているか、飛んだ人とカウントされてる事だろう。

同じぐらい、バーに行かなくなった。
ということは我が街の友にも会っていないということになる。

酒は止められているわけではなく、付き合い酒程度ならストレスの発散に繋がり、
良好な経過を望めるかもしれない。

それでも何件もホップしていたバーに足を向けなくなった。
というか全く外で飲むという習慣自体がなくなった。

その全てを大人しく受け入れたわけではない。
ずっと週に一度、整形外科の理学療養法士の先生に在宅でリハビリを続けてもらっている。

いつもの透析で会う病院の人の次に会う回数が多いのが他の病院の先生というのは
なかなか笑い話にならないのだが、本当にお世話になっている。

リハビリも方針は決まっている。表向きは。
積極的治療ではなくこれまた消極的機能温存の為のリハビリなのである。
決して治療というようなマイナスをプラスに持って行ったり、ゼロサムにするということは狙っていない。

マイナスの傾斜を緩やかにする目的なのである。心身ともに。

が、それはあくまで方針で俺自身は歩けるように戻る気満々なのである。
先生からある時、余計な期待は落胆を生むから扱いに気をつけろと、
俺のアクセルベタ踏みしがちな性格を柔らかく諌められたことがある。

だから、こっそりとひっそりと誓いもしない、頑張ったりもしない。
いつもお願いしている神仏にも聞かれないように、
歩けるようになるように出来ることを、出来る範囲でやるだけなのである。

現状はというと自室から路面に出て車を待つという簡単な移動にも一苦労してる感じ。
うん、だから痛いほど理解している。

だからこれは主に折れてしまいがちな心のリハビリであり、
心が立ち上がれば遠くないうちに身体も立ち上がるだろう。

だから、会わなくなった人達、待っててください。久しぶりにただいまって会いに行けるよう内側を鍛えてるから。

アイツはもうアガってしまったとか夜の街の空気が嫌いになったとか面倒で会いにいかなくなったとか思われてるかもしれないけどね。

会いに来てくれる人達、いつもありがとう。今度は俺から会いに行くよ。待っててくれ嫌でもな。いつも呼んでくれるのに断るのは本当に心苦しいよ。

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