日経のベトちゃんドクちゃん
日経同期の永野健二君が小生とほぼ同時期に手術してまだ入院しているので、21日の月曜、大阪までお見舞いに行きました。
小生は消化器と泌尿器科、あちらは循環器科と、故障場所は違うのですが、お互いいつまた会えるかという身の上でもありますので、奥さんに写真を撮ってもらいました。永野君は先月、社長だったBSジャパンの番組にちらっと映っていて、渋沢資本主義についてひとくさり語っていました。見落とした人もいるかもしれないので、最新の近影を載せておきましょう。
ご覧のように、永野はすこし痩せたけど、口は昔と変わらず、例によって能弁。日経時代は48年入社組のベトちゃんドクちゃんと言われていた(顔も文章も行動もまるで違うんだけど、よく酒を飲んで延々と議論していたので)だけに、待ちかねていたように滔々と永野節が止まらない。
友あり、遠方より来る、を地でいく。小生はただニコニコ笑っているだけですが、それでも言いたいことがいっぱいあるらしく、もどかしそうでした。入院が長くなると暗くなるけど、これで気が晴れるといいな。内心は喋らせすぎてくたびれてしまうのではないかと、ハラハラしてましたが。
医師が来たので、小生は一時退席。待っているあいだ、待合室の窓から彼方に見える大阪万博の太陽の塔と大観覧車を眺めていました。70年万博は永野も小生も見ていない。大学紛争直後だったのと、小生は父がすい臓がんで入院していたのでそれどころではなかったからだ。そんなことをぼんやり考えながら、いまにも雨の降りそうな千里の森を眺めていた。
朗報を聞いた。近々、つまり10月末から11月初めにかけて永野君は退院できそうだとのことです。23日は試験的に病院の近所に外泊だとかで、その支度に奥さんは忙しい。ラップトップPCが置いてあったけど、ベッドで根を詰めるとからだに障るから、ミニノートに新聞などのスクラップを貼りつけているのがほほえましい。もう50冊を超えたそうな。
彼ははっきり言った。「本を書きたいんだ」。
新潮社から出した「バブル」と「経営者」の続編の構想を温めている。その一念、よく分かるな。残んの時はたとえ限られていても、紙ナクバ空ニモ書カン。保田與重郎もそう言った。その意気、こちらも負けていられない。
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