最新ストイカ4号のおいしいメニュー
オピニオン誌ストイカって何? 未読の皆様に概要をご紹介しましょう。
「ストイカ」とは、日本経済新聞編集委員兼論説委員、月刊誌「選択」編集長、同「FACTA」創刊と長年調査報道に関わってきた阿部重夫が、斬った張ったのスキャンダル報道だけでなく、岐路に立つ日本の「プランB」を模索するために19年10月に創刊した新しいタイプの季刊オピニオン誌です。ストイック(禁欲的)という意味と、ユークリッドの「原論」(ストイケイア)の二つを重ねたタイトルです。
百聞は一見に如かず。最新号のストイカ4号(7月3日刊行)をご紹介します。まず目次です。
巻頭写真コラム「満目青山」は筑波山の白霧にけむるポピーです(外務省官房長、垂秀夫氏の撮影)
今号の特集は<米中デカップリング>です。
中国が香港に対し「国家安全維持法」を実施、言論の自由の制限など一国二制度を形骸化させる措置に踏み切り、抗議デモなどの取り締まりで逮捕者、起訴を行うなど情勢が緊迫しています。米議会では中国制裁法案が通過、トランプ大統領が署名に踏み切るかどうかのタイミングになりました。
pros トランプ「中国対決戦略」の罠 ーーークリストファー・ネルソン氏
cons 荒ぶる「戦狼」中国 何がそうさせたか ―――古畑康雄氏
prosはワシントンから直送記事で、知る人ぞ知るアジア政策通、ネルソン氏の特別寄稿です。80年代から「ネルソン・リポート」を書いていたネルソン氏は、今年初めに引退を表明しましたが、BLM(Black Lives Matter)下で逆風が吹くトランプ政権の対中政策の揺らぎと、ワシントンのコンセンサスが奈辺にあるのかを弊誌に書いていただきました。
consは対する中国の強硬姿勢、とりわけ香港の地位は50年不変の国際公約を破るに至った習近平政権が、自制を求める戦略家たちの警告を振り切らざるをえない内情を共同通信国際情報室次長で現代中国研究者の古畑氏に、個人の立場で分析してもらいました。
reports は2本。こちらは政治でなく金融です。
reports 超緩和は「コロナ経済」を癒やせない ―――阪中彰夫氏
reports さらばLIBOR「4京円」の激震 ーーー上辺 葵氏
阪中氏は元野村証券で、80年代に米国で野村がプライマリー・ディーラーを獲得したときの担当者でNYのマネーマーケットに通暁、「闇株新聞」や「ザ・ストレイ・タイムズ」で評論活動をしています。阪中氏には、コロナ下でNY連銀が総資産を一気に1.5倍に膨張させた「超緩和」を分析してもらいました。
もう一本は、全世界の社債、協調融資、金融派生商品の指標金利であるLIBOR(ロンドン銀行間金利)が21年末に消滅します。
想定元本ベースで400兆ドル(4京円)に及ぶ指標金利が市場別にばらばらになる事態があと1年半に迫っており次に何を指標とするかで壮大な再交渉が必要になり、その明暗次第ではテクニカル・デフォルトも起きうることを分析しました。
Biography は前号に続き、「福本邦雄外伝」の中。父和夫はコミンテルンに失脚させられ、母幸子は復縁を蹴って子連れで対露スパイの男性と再婚したものの、二度目の破鏡となり二子を連れてカフェを開いた「私の十月革命は失敗」編です。
コラム群を一段と充実させました。
Apholistsは、今年のグラミー賞主要四部門を受賞した18歳の歌手、ビリー・アイリッシュがコロナ封鎖下で公開したビデオ・クリップから。
「流視逍遥」はリメイクされた「東京ラブストーリー」(令和版)。
「通奏低音」は無観客演奏した指揮者の原田慶太楼氏です。
さらに念願の「食」のコラムを始めました。石田哲大氏の「風味花傳 L'esprit de Goût」で、第一回目は「フロリレージュ」のオーナーシェフ川手寛康氏に語っていただきました。
こんなメニューです。お楽しみに。
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ストイカ編集部 阿部重夫