【番外編②】ベンチャーキャピタル(DNX venturesさん)から見たStock
|| 自己紹介
はじめまして、DNX venturesの新田と申します。
DNX venturesはB2B SaaSを中心としたスタートアップに投資をするベンチャーキャピタルです。
株式会社Stock(以下、Stock)さんとは日々経営のディスカッションなどを行っておりますので、投資家の目線から、Stockの魅力をお伝えできればと思っております。
|| 出会いのきっかけと最初の印象
出会いのきっかけは、マネーフォワードの辻社長から弊社代表の倉林にご紹介をいただいたことがきっかけでした。
最初の印象は、「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」というミッションに真摯に取り組んでいる真面目な印象をもちました。
そのミッションを実現するために必要なことを愚直に考え抜き、挑戦を続けている姿勢が大変魅力的でした。
また、あらゆる経営判断・意思決定をしっかりと数値データをもとに判断しており、他のスタートアップと比べても非常に論理的且つデータドリブンな印象をもちました。
|| 投資を決めた理由
投資を決めた理由は、マーケットポテンシャルが大きかったことと、経営チームが優秀で、しっかりとしたミッションとパーパスがあったことです。
マーケットポテンシャルについては後ほども少し触れますが、まず、SlackやNotionなどの米国ツールが、ITリテラシーの低い日本では浸透しきれない可能性は大いにあるだろうなと思いました。
既存の競合となり得る米国ツールはあるものの、Stockがその日本版として優れたUI/UXを武器に国内市場で広がる可能性はあると考えましたし、顧客層が被るマネーフォワードなどとの連携による事業拡大も選択肢として期待しておりました。
また、澤村CEOがあらゆる経営判断をしっかりとデータや数値の裏付けを取った上で遂行するなど、物事をとことん突き詰めるタイプだったことも好印象でした。
澤村CEOはじめ、Stockの経営チームは真摯にミッション実現のために経営をされていて、「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」というミッションがすべての根幹にありパーパスがしっかりしていますので、社員の方々の勢いがあり、非常に一体感のある企業カルチャーも魅力的でした。
❚ マーケットポテンシャル
Stockが対象としているマーケットのポテンシャルは非常に大きいと考えています。
「情報を共有する」というのは、時代や国を問わず、どんな組織においても普遍的な行為ですし、特に情報過多の現代だからこそ、社内外での情報共有というのは非常に大きなテーマです。
もちろん、情報共有のためのツールはすでに存在しますし、slackやboxなどたくさんあるじゃないか、と思うかもしれません。
しかし、ITに不慣れな非IT企業にとって、
既存のITツールやソリューションをそもそも知らない
知っていても、うまく使いこなせない
機能が多すぎたり高度過ぎたりして逆にストレスを感じる
など、非IT企業にとっては既存のITツールをストレスなく使うのはなかなか難しいのが実態です。
そして、日本の企業の多くはこうしたITが不慣れな非IT企業です。
弊社は、SMBおよびミドルマーケットを中心とした非IT企業のターゲットは、日本では非常に大きなマーケットだと見ており、そこにフォーカスしているStockのポテンシャルを高く評価しております。
❚ 競合優位性
Stockの競合優位性は、非IT企業の情報共有におけるストレスの理解度と、それに応えるために徹底的に磨き込まれたプロダクトだと考えております。
非IT企業にフォーカスしているからこそ、非IT企業が
どのような動線でプロダクトを使うのか
どういったポイントで躓くのか
どのような機能・使い方を望んでいるか
逆に何が不要か
などをこれまで徹底的に観察し考え抜き、何度も何度もStockはプロダクトを改善してきました。
情報共有のためのITツールは他にも存在しますが、Stockほど「非IT企業」の使いやすさにフォーカスしたプロダクトはなく、ヒアリングや各種データをもとにStockがこれまで培ってきた非IT企業のためのプロダクトノウハウは一朝一夕で得られるものではないはずです。
❚ 投資時点でのマーケットフィット
Stockのプロダクトのマーケットフィット度合は非常に高く、様々な数値がそれを裏付けています。
例えば、オウンドメディアによるリードの自然流入が非常に多いことや、解約率も大変低く、DAU/MAUといったアクティブ率を測る指標も一般的に良い水準とされる数値を遥かに超えております。
また、事例紹介やユーザー様によるリファラルの発生など、ユーザー様がStockのプロダクトに熱狂していて、プロダクトがマーケットにフィットしていることが分かります。
ユーザー様にとってStockはなくてはならないmust-haveアイテムとして認識されていて、すでに色々な企業様のインフラのように機能をしているため、そのプロダクトの責任は非常に大きいと言えますし、逆に言うと、大変やりがいのあるチャレンジができるのではないかと思っております。
|| エクイティストーリー
Stockは「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」というミッションを掲げ、そこに真摯に邁進している企業です。
そして、この情報共有というのは非常に大きなテーマであり、情報と一口に言っても、それは資料なのかテキストメッセージなのか、はたまた、人のナレッジや音声データ、動画データなのか。そして共有といっても、1:Nの共有なのか、1:1の共有なのか、あるいはN:Nの共有を同じ部門や社内でやりたいのか、それとも社外とやりたいのか。
また、”世界中の”とミッションに掲げていることからも、Stockの対象が国境を超える可能性もあるわけです。
こうして考えてみると、一口に情報共有といっても様々な角度から捉えることができますし、顧客企業の規模によっても最適な共有方法も変わってくると思います。
非IT企業が「どのような情報をどのような規模でどのように共有したいか」という点において、Stockの挑戦は続いていくものだと思いますし、その挑戦を続けることで、世界中のあらゆる非IT企業のどのような情報共有でも、Stockであれば簡単にストレスなくできる、というプロダクトを作り上げていくことが今後のStockの事業スケールの道筋だと考えています。
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