PO直前!ヒューリックの動向を分析してみた

会社説明

ヒューリック株式会社(証券コード:3003)は、東京都を中心とした不動産事業を主軸に、保険事業、ホテル・旅館事業、建築工事関連事業を展開しています。不動産賃貸ポートフォリオには高品質な物件が揃い、開発・建替えやPPP事業を通じて収益性向上を図っています。2024年12月期第3四半期では営業収益314,985百万円、親会社株主に帰属する純利益54,596百万円を記録しました(前年同期比6.9%減)。​

2024年12月10日に売出価格が1,337.5円と決定され、約85百万株が市場に供給される予定です。​

ということで「いったん下がります!!!!!

需給面での影響

ヒューリックは今回、約85百万株の売出しを予定しており、さらに12百万株のオーバーアロットメントも含まれています。この規模は時価総額の約10%に相当し、市場に供給される株式数が大幅に増加します。こうした大量供給は、短期的に需給バランスを悪化させる傾向があります。需給悪化による一時的な売り圧力が株価下落を引き起こす可能性が高いです

割引価格の設定と心理的影響

今回のPOでは、売出価格が市場価格より約3%割引で設定されました(ディスカウント率3.01%)。この割引価格は、既存株主にとって一株当たり利益の希薄化を意識させる要因となり、売却意欲を高める可能性があります。また、割引価格での株式取得機会が提供されるため、短期的には投資家の買い控えが発生することも考えられます
ちなみに私も買い控えしてます。

中期以降の見通し

一方で、ヒューリックは堅調な事業基盤と成長性のあるプロジェクトを多数保有しており、POによる調達資金の活用による中長期的な成長が期待されます。このため、短期的な需給悪化は一時的であり、中期以降は株主価値の向上が見込まれると考えています。

補足

オーバーアロットメント(OA)て何?

PO(公募増資)や株式売出しでは、企業が市場に新たな株を供給します。このとき、「売出される株数」を増やしても市場で十分な需要があるかを試しながら販売する仕組みの一つがオーバーアロットメントです。

具体的にどういうこと?

  1. 最初に用意される株数: 例えば企業が市場に100株を売る予定だとします。

  2. 需要を確認: もし「もっと買いたい!」という投資家が多かった場合に備えて、追加で例えば20株を借りて売りに出します。これがオーバーアロットメントです。

  3. 結果次第で調整:

    • 売れた20株について、後から市場で同じ株数を買い戻す(価格が安くなれば利益に)。

    • もしくは、事前に借りていた分を正式に発行株に追加して精算する仕組みもあります。

メリット

  • 企業側: 初めて株を発行するときの需要を試す安全弁になる。

  • 市場側: 買い手が多い場合、追加株の供給で価格の安定を図れる。

例えると…

学校の文化祭でお菓子を売るとします。

  • 元々「100個売る予定」だったけど、列が長くて「もっと欲しい人」が多い。

  • そこで、友達に頼んで20個借りてきて販売する。

  • 後でお菓子を追加で買って返すか、文化祭の公式在庫から借りた分を補充する感じです。

こうすることで、需給バランスを調整して価格の乱高下を防ぎ、投資家にとっても安心な仕組みを提供できます。


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