アーキタイプ03：宵街の用心棒

■ 概要

宵街（よいまち）とは、夕方ぐらいから明かりをつけて開店するような店が多く並ぶ商店街のことです。単純に繁華街のことだと思って頂いても構いませんが、時代背景を踏まえると、駐屯兵たちやその家族で賑わう、駐留外国人街と解釈するべきかもしれません。
宵街では、客とのトラブルや、不良駐屯兵やヤクザとの衝突が日常茶飯事です。そうなると店側は対策として当然、荒事衆を置きます。
用心棒とは、賭博場やナイトクラブに、金で雇われているフリーの荒事衆のことです。強面な顔面による睨みと、屈強な腕力と棍棒で、力ずくで店のトラブルを収めます。

■ 台詞（フレーバーテキスト）

「行儀の良い客は、俺は好きだぜ。マナーを守って遊んでくれるんなら、オレがトラブルから守ってやるよ。」
「お客さーん、お悪戯(イタ)が過ぎたな。大人しく事務所まで来てもらうぜ。」

■ 動機（シナリオへ円滑に導入する為の序盤の行動指針）

旅路 ：俺が守る場所(シマ)を荒らしたヤツは、どこまでも追い掛けて捕まえて後悔させてやる。
市井 ：この場所(シマ)は、俺が守る。ここでは誰も、好き勝手な振る舞いは許させねえ。

■ 役割（チーム内での期待される任務）

アタッカー兼タンク。変身前も変身後も、集団相手の盾として敵の群れを一人で引き受けます。
また、豊富な人脈と、愚連隊の召喚は、捜査やいろいろな場面でチームを支えてくれることでしょう。

■ データ：能力値／専攻分野

【ゴロ】：Lv6《決斗》 ＆武器の命中上昇
【体躯】：Lv8《剛力》
【渡世】：Lv6《手練》 ＆業物のバフ効果
【廻逢】：Lv5《世渡り》 ＆業物のバフ効果

■ データ：業物

▼初期装備
【ゴロ】『棒術用の六尺棍棒』：1sp → 武器（命中判定上昇）
【渡世】『舶来の葉巻』：1sp → バフ
【廻逢】『ウィスキーボトル』：1sp → バフ、自動補充

▼換装後（換装判定：難易度修正−2）
【ゴロ】『棒術用の六尺棍棒』：1sp → 武器（命中判定上昇）
【体躯】『フライトジャケット＆安全靴』：2sp → 防具

■ データ：命運点／高天力＆縁故

◆命運点：2点（基本5点 - 追加高天力と追加縁故の数）

▼初期高天力（2個選択可能・命運点の減少なし）
『倶利伽羅紋々エヴォリューション』：変身能力。
『地獄の果てまでリベンジャー』：仲間を殺した仇を、｢包囲状態｣にします。

▼追加高天力（最大3個まで選択可能・1個につき命運点1点減少）
『血煙バーニング』：攻撃命中時、相手の命運札を追加で1枚失わせます。

▼初期縁故（【廻逢】のスタイルに応じてもの・命運点の減少なし）
『青年自治会』：ヤミ市の男手が足りない店から荒事の解決を請け負う、「愚連隊（荒事に長けた若者衆の集団）」のメンバーです。人手が必要なときには、愚連隊のメンバー（【ゴロ】系トループ）を召喚できます。

▼追加縁故（最大3個まで選択可能・1個につき命運点1点減少）
『花街組合』：繁華街の商工会です。水商売や風俗店の経営者・従業員など、あとそれらの店舗を支援する業者が参加しています。花街組合に参加している店舗へ協力（聞き込みや従業員の情報開示、店内捜査 など）を要請することができます。

『駐留外国人街』：駐留外国人街とは、連合国軍の駐屯兵やその関係者が集まり生活している街です。旭日國内に存在する外国であり、旭日國の法律が及ばない治外法権となっています。この街は塀に囲まれ、物理的に隔絶されていて、旭日國の一般人は特別な許可がないと立ち入ることができません。しかし、縁故を持つ者とその連れは、普通に関所から出入りできます。

■ データ：彫り物

▼図柄：『不動明王』
不動明王とは、仏教の信仰対象で、密教特有の尊格である明王の一尊です。旭日國では仏教の教えが広まっています。名には「揺るぎなき守護者」の意味があります。大日如来の化身でもあり、数いる明王の中心となる明王です。
その姿は、青黒い肌をしており、全身から炎を発しています。両手には、竜が巻きついた剣と仏具を持ち、特に剣は「倶利伽羅剣」と呼ばれる霊剣として知られています。顔は悪しきモノを睨み続け、険しい表情をしています。

▼変身フォーム：不動明王の写し身
変身／解除 コスト：覚醒ポイント6点
能力レベル変動：【ゴロ】+2、【体躯】+2、【渡世】+1、【廻逢】+1

『ダメージランク強化』：自動・継続効果。
【体躯】の《剛力》を獲得していない場合は、追加スタイルとして《剛力》を獲得します。
元々《剛力》を獲得していた場合は、覚醒札の効果によるダメージランク上昇の幅が、1段階ではなく2段階になります。

『八面六臂』：自動・継続効果。
手番カードの山に自分のカードを2枚追加します。
覚醒札の効果による『能動権利』の獲得が、1点ではなく2点になります。

『破魔の豪炎』：特殊攻撃。
覚醒ポイント3点を支払うことで、自分がいるグループ全体に対して、ダメージランク2に無差別グループ攻撃（自分だけは対象に含まれません）をします。

■ データ：矜恃

序の矜恃：引き受けた仕事には責任を持つ。
結の矜恃：仲間や客の安全を守る。

■ 解説

◆鉄壁のタンク
まず、業物の『フライトジャケット＆安全靴』について説明します。軍用戦闘機のパイロットは、Gと気圧や気温の変動など、様々な過酷な環境や状況で任務を行います。そんな彼らの身を最終的に守るのがフライトジャケットであり、国家の威信をかけて開発された、見た目もカッコいい最高の軍用品なのです。あと、安全靴ですが、足を守ると共に、格闘戦では武器にも使える、路上ケンカの必需品です。
この業物は、本ゲームでは存在が希少な防具として扱われます。（任侠が金属板製の全身甲冑なんて着る訳がありません。忍者なら鎖帷子を着るかもしれませんが）
防具の効果は、なんと！！ 相手の攻撃のダメージランクを常に1点も軽減してくれます！！ たかが1点ではありません。この1点が鉄壁となるのです！！！
並の武器のダメージランクは固定値で1点なので、並の武器では貫通できません。仮に強力な武器で攻撃を受けても、大きな負傷は負いづらいです。
戦闘時においては、ヘイトやカバーリングを駆使して、仲間へ向かっている攻撃を我が身で食い止めるのが、大いなる役目となります。

◆舶来趣味
公私に渡って駐留外国人街を出入りしている中で、舶来趣味に目覚めました。
元々は普通の貧しい旭日人ではありますが、ライス軍から下ろされた軍用品や、輸入品の小物などを収集しています。外国人街で手に入る品は、やたらと値は張るけど、お洒落で高品質です。業物としても、立派に役立ってくれることでしょう。
余談ですが、この当時は旭日國の食文化に洋食が取り入れられてきた時期です。外国人街の退役駐屯兵が経営している飲食店では軍隊式のカレーが流行っており、舶来趣味の持ち主なら、きっとカレーが大好きです。

◆豊富な人脈
【廻逢】のレベルは特別に高いワケではありませんが、複数の縁故により、豊富な人脈を持っています。
事件の舞台によっては、聞き込み捜査において、チームから頼られることでしょう。レベルの不安は、業物のバフ効果と、ブーストで補うことになりますが、戦闘でのタンク役が本来の重要な役回りですので、戦闘前に使い切らないように覚醒ポイントの温存を意識しつつ、ブーストを行うタイミングを見極めてください。
また、縁故の効果で、愚連隊のメンバーを召喚することも出来ます。愚連隊は業物の『トループ』と同様に扱うことができます。高天力の『地獄の果てまでリベンジャー』で、相手を包囲する際も、愚連隊のメンバーに囲ませているという演出にすると絵的にも良いでしょう。

◆モデル（元ネタ）
変身前の姿については、特にモデルは存在しません。六尺棍棒で戦う炎属性の用心棒というモチーフでは、餓狼伝説のビリー・カーンが先人として思い出されますが、彼のように金髪碧眼のイケメンでもなければ、可愛い妹も存在しません。（あくまでもアーキタイプなので、プレイヤーの好みで、美形ということにしても、さまざまなタイプの美少女な妹が12人ぐらいいることにしても構いませんが）
変身後の姿については、まんま不動明王です。肌が青黒く、全身が発火していますが、顔は変身前から強面をしていますし、シルエットに異形といえる特徴はなく、割とノーマルなヒューマノイドのままです。ちょっと筋肉が増幅し、表皮が装甲っぽく硬質化したぐらいの変化しかありません。

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(C) 九城ツカサ ／ 石造りのヒポグリフ