アルプスの旅 4 イタリア 写真集
クールマイユール、ドローネ、アオスタ
十二日目
シャモニからバスでモンブラントンネルを抜けクールマイユールへ
イタリア側からモンブランを仰ぐためモン・チェティフに登る
モン・チェティフに登るためゴンドラとリフトでコル・シェクルイへ上がった。クールマイユール標高1200mからシュクルイまで標高差800mを一気に上がる。
スキーシーズン用のゴンドラとリフトは、客が少ないシーズンオフには運休すると聞いたが、ラッキーだった。
コル・シュクルイを上がるとシュクルイ湖があり、その先はコンバル湿原を経てエリザベット小屋に至るコースはTMB(モンブラン周遊ルート)である。
コル(丘)からシェクルイ湖まではハイキングコースで見晴らしが良い。
クールマイユールの高山植物は種類が豊富で見応えがある。地味が痩せ、水も少ないのか総じて花が貧弱であるが、一層魅力を感じた。
視界なく、モン・チェティフ登頂は諦めた。
晴れていれば、次の2枚の写真のような景色が見られたのだが。
モン・チェティフ頂上から見たフェレの谷とモンブラン(山と渓谷社より)
ドローネはクールマイユールから1.5kmほど山に入った寒村である。
昔ながらの石造りの家と木造のモダンな家が混在している。道が入り組んで迷路のようだ。
その夜の宿ホテル・ドローネは古いドローネ通りにあった。
ホテルの最上階の窓から見た景色が素晴らしかった。この景色を見るだけでホテルに泊まる価値がある。
山から下りホテルで一休みしてから、ピザを食べにクールマイユールの街に出かけた。街中で大きなレストランに入りピッツアを注文すると、店主が彼処が良いと百メートル先の店を教えてくれた。
大通りの坂の途中に小さなピザ屋があった。古ぼけたドアを押すと、親父さんが生地をこね、おかみさんが注文のピザを焼いていた。
香草入りのピザを注文し、あまりの旨さにアンチョビ入りを追加し、あっという間に食べてしまった。
八時過ぎ、ホテルのレストランに行くと其処ががまた素晴らしい場所だった。
広い部屋の真ん中をアーチ型に石で組まれた大きな梁が支え、石張りの床にモダンなテーブルや椅子、クロス壁の内装がよく調和していた。石造りの暖炉や所々にはめ込まれた石壁がアクセントを加え、間接照明の中央には大鹿の角をあしらったシャンデリヤが下がり、高さを変えた数層のフロアーが部屋全体を一体化させていた。
まるで、十七、十八世紀の裕福な貴族が造ったダイニングに踏み込んだようであった。
注文をとりに黒服の給仕がきてイタリア語で説明を受けたが、すべてを任せ、これが正解だった。
前菜はスモークサーモン、野菜のスープ、生ハムとカマンベールチーズ、ハーブのサラダとトマトのコンフィを添えた仔牛のカツレツ、西瓜のサングリア、最後にコーヒーが出た。
初めに取った白ワインは、食事なかばでなくなった。二本目に赤ワインを注文すると、例の給仕が自分の郷里の絶品だと推奨したボトルを持ってきた。これが、仔牛料理によく合った。
クレソンともう一つの香草が、胃袋を刺激し、オリーブオイルで茹でたトマトの風味が淡白な仔牛肉を引き立て、同じ香草で作られたソースの彩りも洒落ていた。生ハムとカマンベールは飛び切り新鮮で、芳潤な味がした。
こんなにも旨い食材があろうか、といえるディナーだった。
十四日目
アオスタを散策し、シャモニへ戻る
バスでクールマイユールからアオスタへ、街を散策したが雨がやまず遺跡見物を諦め、早々とバスでクールマイを経由しシャモニへ、
デポジットしていたホテル・クロア・プランシェに泊まった。