コーポレート未経験から取締役CAOになった私が働くうえで大事にしてきたこと(前編)
はじめに
こんにちは、スタメンでCAO(Chief Administrative Officer)として管理部門を統括している中谷です。2018年の4月に、当時2人目のコーポレートメンバーとしてスタメンに中途入社し、今年で入社から丸6年が経ちました。
先日の2024年3月末の株主総会で、取締役執行役員CAOに就任しましたが、入社当初の私は経理のいちメンバーで、しかも経理もコーポレート領域も全くの未経験という形でスタメンでのキャリアをスタートしました(簿記さえ持っていませんでした…)。今のCAOという立場は入社時の私からすると全く想像していなかったものであり、毎日を無我夢中で走り抜いていたら、気づいたら今ココ、というような感覚です(笑)
実はこれまで、自分のキャリアを改めて振り返る機会がありませんでした。役員就任の節目を機に、私がこれまでどのようなキャリアを歩みながら、どのような価値観で仕事に向き合い、今後どのように成長していきたいのかを、一度整理して言語化してみようと思い、このテーマでnoteを書くことにしました。
自分の価値観を誰かに押し付けるつもりはありませんが、この記事を読んでくださる方に少しでも刺激を与えられたり、参考にしてもらえたら嬉しい限りです。
この記事はスタメンnoteリレーの19日目です!
スタメンのnoteリレーにはついてはこちら👇
【スタメンでのキャリアサマリ】
スタメンでの大まかな経歴は以下のとおりです。ちなみに、入社の理由や経緯については、入社直後に書いたこちらの記事(古い…)をご覧いただければと思います。
ご覧のとおり、私は入社後から現在に至るまで、ほぼ一貫してコーポレート領域、特に経理業務を軸に置いたキャリアを歩んできました。スタメンでは、複数の部門や職種を経験しているメンバーが比較的多い中で、長きにわたってコーポレート一筋で従事してきたのは珍しいケースかもしれません。
しかしながら、会社の成長とともに自身の立場も変化する中で、同じ部署にいたとしても、自分の価値観は当然ながらアップデートされてきました(変わるのではなく積み重なっていくイメージです)。過去から現在までを振り返りながら、それぞれの時期でどのようなことを重視して業務に取り組んできたか、赤裸々に語れたらと思います。
1.メンバー時代
カオスな環境を楽しむ
私が入社した2018年当時は、スタメンはわずか20人足らずの組織で、コーポレート部門は1人しかいませんでした。勤怠管理や経費精算、給与計算といった基本的な業務システムの導入さえこれからだった時期で、紙やExcelを使って手作業で管理業務を行っていました。
当然、社内にはマニュアルも無ければルールも整備されておらず、誰も仕事の進め方を手取り足取りは教えてくれません。正解がどこにあるのか正直分かりませんでした。このような状況はコーポレート部門だけではなく、会社全体に当てはまる話でした。
前職は大手企業だったので、比較的ちゃんとしたマニュアルが存在していて、正しいやり方が存在していて、その枠組みの中でいかにキャッチアップできるかといった感じの仕事の進め方でした。しかし、ベンチャー企業であるスタメンでは全てが対照的で手探りの状態でした。
ただ、「何もないところから作り上げる」そんな経験がしたくて転職した節があったので、むしろこのカオスな状況をどこか楽しんでいる自分がいました。仕事は与えられるものではなく自分で作るものという感覚が自然と身に付いたように思います。
「最速レスポンス」と「Give&Give&Give」
そんなバタバタの毎日の中で、私が意識していたのは「最速レスポンス」と「Give&Give&Give」この2つでした。未経験で採用してもらった私は、何としてもこの会社に恩返ししたいという気持ちを常に強く抱いていました。日々の経理業務を当たり前に遂行するだけでは物足りなく感じ、もっと事業と組織に直接的に貢献したいと考えていました。
経理としては未熟な私でも出来ること、それは、社内のあらゆる困り事に対して最速で反応し、落ちかけているボールを一番に拾い、解決に向けて自分が動くということでした。もともとお節介で細かい事が気になる性格だったこともあり、自分が望んでやっていたことではありますが、周りの皆が喜んでくれる働きをする、このことに全身全霊をかけていたという感じです。
本音では面倒にも思っていた
ここまで読むと、ものすごく良い人のように見えるかもしれません。しかし本音を言えば、人間なのでやっぱり面倒だなと思うことも多々ありました。先に述べたように、自部門の業務フローもまだぐちゃぐちゃで、その整備が必要でしたし、目の前の経理業務の理解やタスク処理にも必死でした。なので、ボールを拾えば拾うだけ新しい仕事は増える一方。気づけばいつの間のか関係ないタスクを抱えすぎているという状況にもなっていて、私だってそんなに暇じゃないし!と心の中で叫ぶこともありました(笑)
でも結果として、私の行動が社内のメンバーからの感謝に繋がり、またそれが自分のモチベーションの源泉にもなっていました。スタートアップの立ち上げ期には、多少の自己犠牲を厭わず、いかに事業や組織を主語にして動けるかが何より大切なのだと思います。
信頼ポイントの獲得
誰かのために行動することを私は「信頼ポイントの獲得」と密かに呼んでいます。つまり、自分の行動によって周りからの信頼を高めていくことを意味します。(信頼残高を増やすなどとも表現されますね)
スタメンでは「役職は単なる役割」という考え方に基づいて、メンバーの成長のために少し早いタイミングで積極的に役割を与える方針があります。私の場合もまさにそうでした。その時点で役割に見合う100%の実力はまだなかったはずですが、信頼ポイントを日々コツコツと積み上げてきたことで、「こいつに任せてみよう」と判断されたのだと思います。それが2019年、入社10ヶ月後のマネージャーへの昇格と、IPO準備チームへの兼務に繋がりました。
2.マネージャー(IPO準備)時代
IPO準備の少数精鋭部隊
スタメンは2020年12月に東証マザーズに上場しましたが、私は2019年、いわゆるN-1~N-2期の頃に、IPO準備チームに本格的に加わりました。少数精鋭の3人体制(兼務)でした。
監査法人による通期レビューが始まり、足元では四半期決算や月次決算の業務フロー、内部統制の整備が急務でした(指摘事項の嵐)。一番大変だったのは、証券会社によるレビューが開始した時期。「経理側と事業部側で数字が合わない」「集計ロジックが途中で変わっていて整合性が取れない」「予算と実績の乖離が大きいが何故なのか分からない」「そもそも予算策定のロジックがおかしい」など、あらゆる問題が表面化したのです。
得意分野に特化した役割分担
課題は数字面だけではなく他にも山積みで、同時進行で対応が必要でした。そこでIPO準備チームの3人でそれぞれの得意分野に特化し、以下のような役割分担を行いました。(自然にそうなっていったという方が正しいかもしれません)
審査対応や、全体の戦略策定、進捗管理
通称 PowerPointの人
開示書類の作成や、内部統制、規程周りの整備
通称 Wordの人
データの収集や集計、数字根拠の提示
通称 Excelの人(私)
数字の力で貢献
当時経理マネージャーだった私は、数字周りの対応を一手に引き受けました。もともと前職の経験から数字処理が得意な方で、Excelの関数も好きな人間だったので、数字を全て洗い出し直して、綺麗に再整備していくという作業には(指摘の嵐に疲弊しつつも)とてもやりがいを感じました。
同時に、他の2人が行う業務も傍で見ていましたが、自分には到底できない作業だということを痛感し、ある意味絶望もしました。説得力のあるプレゼンをしたり戦略をリードすることは私は苦手だし、論点を整理したり法律に則った形で膨大な文章を書きあげることも私には難しいことでした。でも後から聞くと、逆に私がした数値整備も、他の2人には出来ない役割だったそうです。
得意領域を極める重要性
当たり前のことかもしれませんが、これなら誰にも負けない!という自分の得意分野を見つけることが、キャリアアップにはとても大切です。特に、まだまだプレイヤーとして個の成果が求められるマネージャー職では、自分の「圧倒的な武器」を早く見つけ出し、それをひたすら磨き上げ極めていくこと。成果でチームをけん引すること。これが組織から求められることなのだと感じます。
IPO準備の過程で、私はこの点をリアルに痛感することができましたし、この経験は、私のキャリアにおいて大きな意味のある通過点となりました。
続きは次回
長くなってしまったので続きは次回の記事で書きたいと思います。2020年12月に上場を果たした後、翌2021年1月から「部長時代」、その後「監査等委員時代」を経て、現在の「役員CAO時代」へと続いていきます。後編も是非よろしくお願いします!
終わりに
スタメンnoteリレー第4弾としては、明日の投稿がいよいよ最終回になります。最終走者はスタメンの代表取締役社長CEOの大西です。是非、お楽しみに~!
また、スタメンでは事業成長と組織拡大を支える仲間を積極的に募集しています。noteリレーをご覧いただき、スタメンのカルチャーや事業、働くメンバーなど、少しでも興味を感じていただけた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。お待ちしています!
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