空回りの宅配袋
オンラインショップで商品を販売するのなら、
梱包資材は必要不可欠だ。
ネットを見れば、実に様々な用途の梱包資材が販売されている。
私はトートバッグしか商品がないので、宅配袋を調達することにした。
ところがだ。
あまりにも種類が多く、実際に手にとって確かめたくなってしまったのだ。
さっそく札幌市内にある卸問屋へと足を運んだ。
店舗案内には「最寄り駅から車で2分」とある。
「近い!」と思ったが、車で2分は歩くと遠い。
迷わずたどり着けたので良しとしよう。
店内には宅配袋の見本があったので、実際に手触りや強度、素材などを確かめることができた。
しかし。
見本はあるが、在庫がない。
聞くとネット販売も行っているため、店舗に在庫はあまり用意がなく、
注文を受けて取り寄せてくれると言うのだ。
店員さんはとても親切に対応してくれたが、ここまでたどり着くのに
わりかし歩いた私は「もう一度ここに来る元気はないよ」と思っていた。
このまま手ぶらで帰るのも惜しいので、在庫のある第二希望の宅配袋を購入することにした。100枚は欲しかったのだが、歩きで持ち帰るには25枚入り1パックが限界だった。
そして、次に衝撃の一言が襲った。
「現金のみです」
青ざめた。一気に青ざめた。だって私はキャッシュレス人間。
財布は持っていても現金は持ち合わせていない。
財布も本来の仕事をさせてもらえなく、残念に思っていることだろう。
恐る恐る財布の中身を確認すると、
よかった!
野口さんが「大丈夫だよ」と言って微笑んでいた(ように感じた)。
しっかり領収書を受け取り所持金は100円となったが、
なんとか宅配袋を手に入れ、来た道をとぼとぼ歩いた。
肩がずっしり重い。
もし、今事故にあったら、
「所持金100円の女性」とか、報道されちゃうのかな」などとぼんやり思った。
この日の札幌は真夏日。
宅配袋がカサカサと音を立てていた。
yukiko's voice
宅配資材はネットで買うがよろし。
シーズンレスなファー雑貨ブランド
sweetie moff
公式オンラインショップ
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