「う」と「おも」
「う」かくれた; みえない; 秘められた⇔「おも」あらわれた; みえる; 明かされた
「うら」は「う」に「あちら」「こちら」など物の片側をあらわす「ら」が付いている。隠された側、見えない側である。対義語に「おもて」があり、これは「おもたい」「おもな」など、存在の現れをあらわす「おも」に方向を表す「て」が付いている語で、現れている側、見えている側である。人の顔を「おもて」というのと対応して心を「うら」という。感情が現れるのが「おもて(顔)」で秘められているのが「うら(心)」だ。「うらさびし」は心の底からしみじみと寂しいことをいい、「うらむ」は表情に現れない隠された激しい感情を持ち続けることをいうのである。
うら (ura): 裏 秘められた、隠れている部分である。
うら (ura): 占; 卜 世界に秘められた意味を知るための方法。
うら (ura): 浦 隠れて外海から見えない入り江
うら (ura): 心 表情に現れない隠された気持ち
「うしろ」は「う」に「のりしろ」「ぬいしろ」「なわしろ」など、「〜のための場所」をあらわす「しろ」がついている。隠したり、見えないようにするための場所は「物陰」であり「目が届かない場所」である。「おもしろ」は公開したり、目に見えるようにするための場所である。それは「あらわになる場」であり「秘密のベールが明かされる場」なのだ。