医クラ界隈の衝撃



衝撃

今週、Xの医クラ界隈に衝撃が走った。

某旧帝国大学医学部の心臓血管外科主任教授が、怪しい幹細胞移植のクリニックをオープンしたと話題になった。
ここまで登り詰めた人間は、医者の世界でも上澄中の上澄で、まさに白い巨塔の頂点に君臨するはずである。そのような人間が、どうして、、

背景

あくまでもネット情報だが、周辺情報を調べてみると、以下のような情報が得られた。
この先生はガチのホンモノである。研究に医者人生を捧げてきた人である。

ベンチャー企業を設立して研究、資金調達も行い。


大企業を巻き込んだ製造販売、臨床研究が始まったものの、事前に設定された承認基準を満たすことができず、厚労省の薬事委員会では承認が下りなかった。それに伴い企業での製造販売も終了となった。

しかし先述のベンチャー企業のIR情報を見ると、研究はまだ続いている。
そうした中での今回のクリニック騒動。

https://forbesjapan.com/articles/detail/75078


当の本人はまだ諦めていない。教授を退官した今でも。
自由診療で資金調達をして、それを研究や製造販売に充てる。そうして研究が実を結べば、多くの心不全患者にとって福音となる。

おそらくこの先生は定年後の単なる金稼ぎで、「旧帝国大学元教授」という肩書きを換金しているわけではない。確固たる信念の元に行なっている。全ては20年以上にわたって続けてきた研究を継続するため、目的を達成するため。そこら辺にいる「直美」の若手医師たちとはレベルが違う。

若手医師への影響は

上記のように、短絡的な金稼ぎによる行動ではないことは明らかなのだが、これは保険診療界隈で働く医師たちにとってはどう映るだろう。
おそらく「旧帝大の白い巨塔を登り詰めた結果が自由診療かよ」「出世しても夢がねえな」「保険診療オワコン」と若手医師の多くは思うのではないだろうか。自分もページトップのtweetを最初に見たときは同じことを思った。
若者に限らず、保険診療界隈での士気は確実に下がるのではないか。

保険診療に夢を見ることはできないのは事実。
「直美」する若者、保険診療から離脱を試みる若者は今後も増えるだろう。それを逃すまいと若手医師を籠絡しようと試みる国との攻防はさらに激しさを増すだろう。

教授退官後も大志を抱いて夢を描き、別の世界から資金調達を試みる老人、かたや今いる世界に夢を見ることができないために別の世界へ飛び込む若者たち。いろいろな人生があるなと感慨深くなった。

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