50mm単焦点を使ってボク達は老いていく
ボクのカメラライフ。2020年は単焦点の一年だった。
これまでズームレンズを中心に使ってきたのは、動画をよく撮るからなのと出会った風景を逃すことなくカメラに納めたいがため。だからこそボクはソニーのズームレンズ最高峰の一本と言われるSEL2470GMを買ってメインレンズとして使ってきた訳だけどそんなボクがめっきりズームレンズの類を使わなくなってしまった。
2020年の単焦点縛りのきっかけは2019年11月の京都旅行
会社の同僚達と毎年晩秋に撮影旅行に出掛けているんだけど、2019年11月は京都市内を一泊二日でぶらぶらしてた。カメラはSONY α7RⅢ、レンズはズームレンズのSEL2470GMと中望遠単焦点のSEL135F18GM。そしてCONTAX Planar 50mm F1.4の3本。
SEL135F18GMはポートレート的なものを撮るシーンがあった時用に持っていって(そんなシーンはあるはずないんだけど)、CONTAX Planar 50mm F1.4はその前にオールドレンズ沼にハマった関係で一本だけ忍ばせておいたレンズ。
結論を言うと、ボクはCONTAX Planar 50mm F1.4をつけっぱなしにして京都旅行を楽しんだ。50mm単焦点でも充分撮れるじゃん!という喜びと、オールドレンズ特有の写りの良さに驚きに、2019年最終盤は一気に50mm単焦点レンズに傾倒していった。
当時の写真はこの記事を見てもらえるとわかるんだけど、これまでの自分の写真から大きくステップアップできた瞬間だと思ってる。
もしかしたらSIGMA fpとの出会いも影響があったかも
2020年1月には急にSIGMA fpが欲しくなって衝動的に購入した。
キットレンズの45mmF2.8DGDNがコンパクトなのに写りもよくて、自粛ムードが漂い始めるちょっと前にもう一度一人でフラッと京都に訪れるくらいには単焦点の50mm近辺の沼に入り込んでた。
京都一人旅の様子はこの記事から大体わかると思う。二泊三日の一人旅で1200枚も撮影するくらいにハマってる。
小さくて軽くて大体の撮影に対応してしまう50mm近辺の単焦点レンズは旅行用レンズとしては最適で、シャッターチャンスを逃したくない理由でズームレンズを使っていたボクの思考はもうどこかに霧散してる。
そんな流れから2020年も単焦点を使ってた訳だけど…
夏場のポートレート熱を除けばほぼ全ての期間、ボクは50mm近辺の単焦点レンズとともにカメラライフを過ごしてきた。京都旅行はもちろんだけど、夜の街スナップやブツ撮り、日常的な散歩、ボクが大好きな夕陽の写真とか。ボクのカメラライフのほぼ全てのシーンで大活躍してくれるのが50mm近辺の単焦点レンズだった。
そして10月からボクは生活の場を田舎から都会に移すようになる。
もちろん持ち出すレンズは50mm単焦点レンズ。その頃にはボクのメインカメラになっていたα7Sには常にCONTAX Planar 50mm F1.4が付いている状態だった。そしてこの境地にたどり着けたことに喜びを感じていたし自信を持っていた。
でもふと気づいたんだ。
ボクは老いに向かってるんじゃないか?
考えることをやめる=老い
単焦点を日常カメラとして使い始めるともうこれ一本でいいやと思い始める。撮れるものは撮るし、撮れないものは撮らないと諦める。できることはやるけどできないことはやらないスタンス。
そしてボクはふとゾッとした。ボクがこれまでの人生の中で見てきた年配の人たちの考え方と一緒じゃないか?って。
もちろん体力的な問題で歳を取ることでできないことは増えてくるし、抗うように例えば美魔女のように頑張り続けるのはどうかと思うしそう言うことを言ってる訳じゃない。
新しい技術やテクノロジー、生活様式に自分のスタイルを合わせていくことを諦める、そんな年配の人たちをたくさん見てきて失望してきたボク。ボクもコンパクトで軽いとか、撮れるものだけ撮ればいいんだよとか、単焦点でどうやって撮るか考えるんだととか。持ち運びも楽な単焦点レンズに逃げるために考えることや工夫することをやめてしまってることに気づいてしまった。
そしてボクは、これが『老い』なんだと気づいた。
50mm単焦点は本当に便利なレンズなんだ
本当に便利だから去年1年間使い続けてきたレンズ。ハマるのも当然なんだ。でもね、ボク達は一つの場所にとどまり”続けちゃ”ダメなんだ。
多分、ボクはこれからもCONTAX Planar 50mm F1.4をメインレンズとして使い続ける。だけどこれからはボクが苦手な24mmや35mmも使っていきたいし、望遠ズームレンズももっと使ってみたい。2021年は動画ももう一度ちゃんとやりたい。
50mm単焦点レンズはクスリのように中毒性があるレンズだからこそ、時にはそこから離れて新しい何かに挑戦していきたいし、新しい何かに出会えるワクワク感を感じてブログやnoteで発信していきたいと思ってる。
2020年暮れ、ボクはこのまま老いの坂道を下っていくギリギリのところで踏みとどまることができた。
こだわりを持って同じものを使い続けることを否定している訳じゃない。でもボク個人の考えだけど、それは老いへの第一歩のような気がしている。
超ポジティブなボク。2021年もワクワクしか感じられない。