人間はみんな無敵だという話

今回はオーストラリアのとある街での散歩エピソードを残す

詳しくは書かないが数年前オーストラリアで少しだけ生活してた時がある。田舎なのにカジノ付きのでかいホテルがあったり街にはハイブランドの店が当たり前にあるしリッツカールトンもある

田舎なのに栄えてる。九州生まれの僕はその土地を「オーストラリアの福岡」と呼んでる。浅そうな解釈だと思うだろうがわかる人にはドンピシャの例えだからわかる人に分かればいい。

初めての海外生活だったので毎日ウキウキで散歩をしてた

ある日の夜、徐々に完成してきた散歩コースをいつものように歩いてた

4車線✖︎4車線の広い道路があり、その道をまっすぐ歩いていると

段ボールで作ったボードを手に持った1人の男性が道路の間にある細い石段に立っているのが目に入った。オーストラリアという土地柄や僕も半分バックパッカーみたいなものだったので目に入っただけでスルーした

目線を前に戻し普通にまた歩く

するとまた、段ボールを持った、今度は女性がいた

完全に僕と鉢合わせるコースだったので「せっかくなら交流でもしたいな」と思って、その女性に声をかけた

what are you doing?

何してるのか聞いたら、こう返ってきた

家を探してるんです。

バックパッカーだとしたらやけに図々しいので違和感を感じた

その段ボールには「家を貸してください」といった趣旨の文章が書かれてた

この人はバックパッカーではなく、ホームレスだった

予想外だったがせっかくなので「オーストラリアのホームレス事情」について知っておこうと思い僕はその女性に色んなことを聞いてみることにした

これが、僕の散歩史上なかなかの収穫になる。

その女性は何者なのかをざっと聞いた感じこうだった

10年以上前クスリで何もかもボロボロになった。警察に捕まり、それなりの期間で釈放されたがその際に夫と子供には会えないことになってしまい自分の親などの家族にも愛想をつかれ縁を切られた。そこから一人きりになりホームレスになった。

人様の人生をざっと訳してはいけないがこんな内容だった。

日本で似たような境遇の人を知っていたのでさほど驚きはしなかったが「この人はなんで生きていられるのか」素直に疑問だった。似たような境遇の人間を日本で見ていたからよりそう感じた。

おそらく、地獄なんてものじゃない。
1秒1秒、時間が過ぎるたびに心臓がえぐられる痛みを感じているはず。よくわかる。

それから僕は「この人はなんで生きていられるのか」という問いの解をだすために彼女のことを知ろうとした。もちろん「なんであなたは生きていけるのか」というストレートな聴き方はしない。

人間の心理的な答えは綺麗な「正解」という形では返ってこない。人間の心理はそういうものなので色んな情報を踏まえた上で考察することにした

まずは材料集め。そこらへんの初対面の人と話すように普通の会話をして彼女の人間性を探った。

今はどこで生活しているのか
ご飯はどうやって食べているのか
実際に家を借りれるなんてことはあるのか

色んな会話を進めていく中で衝撃を受けたことがあった。やっとだが、ここからが本題。

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