いなくなった母
数日間かけて少しづつ少しづつ母とお父ちゃんと呼ぶ人は、2人で荷造りをしていたと思う。
「家の物が少しづつ減っていた」と
後で姉が話していた。
ある時、姉と弟が風邪で学校を休んだ。
2人して熱を出して…
その日、学校から帰宅した私は何となく家の中の雰囲気が変わっていることに気づいた。
姉、弟、そして叔母さん(母の姉)がいて
姉は泣いていた。(妹がいたか覚えていない)
「ママがいなくなった」
姉のその言葉を聞いて私は…
心の中で「やったぁ」と呟いた。
母もお父ちゃんと呼ぶ人もいなくなり
私は、開放感のようなものを感じ、
その時テンションが高かったと思う。
姉は、いちばん母に可愛がられていたから
私のような気持ちになれず、ずっと泣いていた。
ママに捨てられた
そう思ったのかも知れない。
私は最初から捨てられたような気持ちで
母と暮らしていたから、居てもいなくても…
という感じだった。
何より母がいなくなり「自由」を感じた。
母の寝室そばにあったお菓子の入ったカゴから
ポテトチップスを1袋取り出しむしゃむしゃ食べていた記憶がある。(笑顔で…)
後に私達は児童養護施設に引き取られる事になる。
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