見出し画像

得体の知れない何か

施設での生活から半年が過ぎた頃…
ある出来事がきっかけで私は夜眠れなくなった。

低学年だった私は夜8時に就寝。

同じ部屋の年下の子は、すぐに眠ってしまい
私もしばらくしてウトウト…。

完全に眠りに入る前にそれは起こった。

突然体が動かなくなった。


横向きになっていた私の背中に何かが
しがみついてくるような感覚があった。

息ができなくて苦しくて…

私にしがみついている「何か」は、
ずっしりと重く、その重さで私を
沈めようとしているように感じられた。

数秒なのか数分なのかそれが
どれぐらい続いたのか覚えていない。

得体の知れない何かから解放された瞬間、

私はそのまま起き上がって
フラフラと階段を降り、1階にある
当直の先生がいる静養室まで歩いた。

先生やまわりにいた中高生達が私の様子を見て
「どうしたの?」「大丈夫?」と聞いてきても
「怖い、助けて!」「息できない!」「死ぬ!」
と言って私はパニックになっていた。

近くにいた高校生のさなちゃんにしがみついた。

本当に怖くて怖くて…

自分でも何が何だかわからなくて…

その日、当直の小早川先生と一緒に寝ることに
なった私。(最初で最後の先生と眠った夜だった)

小早川先生は夜中に男子と女子の部屋に
見回りに行く時間があって、その時私は
1人で待っているのが怖くて小早川先生と
一緒に見回りに行った。

静養室で小早川先生と布団で一緒に
寝たけど私はほとんど眠れなかった。

朝になり、自分の部屋に戻りいつもと
変わらない日常に戻ったかと思った。

けれど…この日から私は数ヶ月間眠れない
夜が続き少しづつ私の心と体は壊れていった。

「大丈夫だよ」「ずっとそばにいるよ」
そんな風に私だけを見守ってくれて
ぎゅう~っと抱きしめてくれる
あたたかい存在を求めていた。
小さな私の心は助けて助けてと叫び続けていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?