現代詩
〈ゆく夏に〉
ながい
星の
しっぽなら
銀河の
庭をはいて
こい
天の川
に沈む
星星の光は
淡く
大三角の
頂点から
朝露の
金の雫が
宇宙の井戸の
奈落に落ちていく
のがここからも見える
絹を織る
姉妹は
半島経由で
やってくる
うねる髭を
しごく
沖津(おきつ)
竜神のもとに
嫁いでくる
それから
千年後の
しづかな
真昼
白糸の
川の棚から
約束の
砧の音が
聴こえてくる
いま
御前に
逢いにきた
その
白い陶器の
うなじに
映える
灼熱の赤い陽が
燃えながら
世界の
蒼い端を
堕ちていく
ゆく夏に