コラム:スターフィールドから考察するアメッカス社会
何故彼等は犯罪を愛するのか?
スターフィールドをプレイしている。
まず感じたのが、このゲームはいかにもな洋ゲーであり、頭おかしいレベルの自由度がある。いや、自由度の方向性が「窃盗」「強盗」「殺人」に向いているという辺りがまさしくアメッカスのゲームといった感じである。
何であいつ等あんなに犯罪したがるんや?
JRPGと比較すると、直近でプレイしたテイルズオブアライズなんかは、正義感の強い主人公、ツンデレヒロイン、天然貴族、ママ、直情的不器用バカ、ひねくれメスガキといった、どう考えても現実には存在しえない、如何にも日本アニメ的なキャラクター達が、恋をしたり時には喧嘩したりとキャッキャウフフな旅を続ける訳だが、基本的に主人公達は善なる存在で、反社会的な行動をする仕様にはなっていない。
故に、JRPGは基本的にはエンディングを迎えると長編アニメを見終わったような余韻が残るゲームである。
これはテイルズに限らず、FF15もそうであったし、「物語性の非日常感に価値がある」のが和ゲーだとすれば、恐らく「犯罪を含めた自由さに価値がある」のが洋ゲーなのだろう。
恐らく身近に犯罪が多いアメリカ社会
スターフィールドをプレイした直後に思った事だが、「お前等ルナティックドーンの頃から何も成長していないな…」という点である。洋ゲーRPGはいわゆるテーブルトークRPGがルーツになっている為か、店からの窃盗やNPC殺しが当たり前のように可能になっている。NPCを殺せば犯罪者となり、警察に捕まり、牢獄にブチ込まれる。洋ゲーのロールプレイとは基本そういう方向性なのである。
ここで湧く当然の疑問が、普通に生きてて娯楽としてプレイするゲームに、強盗とか殺人みたいな要素を求めるもんだろうか?である。
ベゼスタに限らず洋ゲーRPGの大半にそういう暴力的自由度が認められている点や、それらがアホみたいに売れている点を考えると、恐らく答えはYESである。
恐らく、世界規模で見るとゲームプレイヤーの多くが、ゲーム中の暴力や犯罪行為を割と当たり前のように受け入れている訳である。
これはゲームがそうさせているのではなく、そういうゲーム市場がそういったプレイヤー層から支持されているという事実から察するに、彼等の住む社会の方に問題があるような気がするんだよなぁ。
犯罪が身近にありすぎなんじゃないの?
実は全然自由じゃない社会
銃乱射事件がお家芸として常態化しているアメリカ社会に於いて、恐らく善良な市民は相当厳格な規制の下に日々の生活を送らされている。
例えば、昼間から缶ビール片手にウロウロしても特に何も言われないのは日本位のもので、アメッカス社会ではそんな事してたらダメ人間として社会からゴミ扱いされてしまうらしい。そのくせBLM運動とかいう略奪ありきのクソポリコレ運動が盛んなイカれた社会なんだから、自由の国が聞いて呆れるね。
そんなアメリカ(アメリカ以外の欧州も?)だからこそ、彼等は狂ったような自由度をゲームの中に求めているのかもしれない。犯罪をする自由がある!犯罪者にも生きる権利はある!とでも言いたげなシステムは、犯罪とは無縁の世界で生きている自分からしてみるとおよそ理解に苦しむが、恐らく彼等の顧客たる世界規模のユーザーはそういう社会を生きているのだろう。彼等はこのような無駄に自由度の高い洋ゲーの中に、自らを投影し、新しい生の喜びを感じるのである。
まるで理解できない。
詰所のペンを拾ったら逮捕された
食べかけのサンドイッチや飲み捨てられた紙コップ等、チュートリアルからしてキチガイじみた大量の小物が拾いまくれるスターフィールドであるが、街に着いてから同じような感覚で小物を拾ったら、音速で逮捕されて警察に連行されてしまった。
えぇ…?
そこはドラクエでいう「他人の家のタンスから小さなメダルを探す」ようなもんだろ…。残念ながら洋ゲーにはそのような和ゲーの常識は存在しない。日本なら「そこはまぁ、ゲームなんだし、多少はね?」で済む概念が、洋ゲー愛好家の脳内には無いのである。
彼等にとってロールプレイングゲームはもう1つの仮想現実世界であり、現実と近い環境を強く求めている。現実で盗みを働くと警察にテーザーガン打たれて下手したら射殺されてしまうが、ゲームならば自分の身体に危害が及ぶ事はない。だから、そうした事も敢えて出来るようにしているという訳だ。
は?訳が分からないよ…。
何でこう、斜め上方向に現実に近付けたがるんだ?日本だとまずあり得ない現実だし、犯罪とか見聞きしても気分悪いだけやん…。
逆に言えば「人が見てない所では何をしてもいい。」という事なので、基本的に頭おかしいよ洋ゲー…。
そもそもバレなきゃ犯罪を犯してもいいという考えが根本的にあるから、ユーザー達もこういう奇妙な自由をゲームに求めるのだろうし、更に言及すると、武器やレベルが強くなり、彼等の求めるロールプレイングゲームとは、警察やガーディアン呼ばれてもそれらを圧倒できる力があれば、文字通り盗みだろうが殺人だろうが、何をしても許される世界が構築されたゲームなのである。いかにもジャイアニズムの国アメリカって感じだ。
ロールプレイにリアルさを求める国民性
RPGってそもそも架空の人物になりきるゲームなので、どうせなら自分とはかけ離れた人物になりたいものである。
日本の場合、現実の世界では高学歴で容姿の良いパワーカップルや幅を利かせていて、文字通り現代日本社会に於いては彼等&彼女等が勝ち組の象徴(実際はそんな事はない)となる訳であるが、ゲーマー達がそんな彼等になりたいか?と言われたら、別にそんな事は無い。
先程も書いた通り、日本のゲーマー(少なくとも私自身は)ゲームに非日常感を求めており、そこにリアルさなんか微塵も求めていない。自分の姿で遊ぶとかマジであり得ないし、かと言っていけ好かないパワーカップル達と同じような容姿になる気もない。
確かに描写は美しいに越したことはないが、悲しいかな、描写をリアルに寄せれば寄せる程、ゲームの世界は美の概念からはかけ離れていってしまうのである。
サイバーパンク2077が良い例だ。あれさぁ…いや、アレに限らず洋ゲーって…登場人物はみんなケバいし、なんか汚くね?このゲームはそういう世界観だからと受け入れる事も出来なくはないが、洋ゲーって全般的にリアルに寄せ過ぎていて、キャラメイクが楽しくないんですよ。結局ガチムチの兄貴を作る所に落ち着くし、自分もスターフィールドでなんやかんやガチムチのヒゲ面元料理人探検家ガチタン・ワカラセスキーを作り出してしまったよ。
ところが、ガチタン・ワカラセスキーには熱烈なファンがいる設定にしたら、変な兄ちゃんがいきなり言い寄ってきて仲間になってしまった。
激重レイトレーシンググラフィック描画機能使って、こんな意味わからん兄ちゃんにバリバリ言い寄られるとか、アメッカスは一体何処を目指しているというのか…?
現実のしがらみから離れる為にゲームに没頭するというのに、ゲーム内でまた面倒くさいしがらみを作るとかさぁ…。
あとゲーム内の作業の4割は在庫管理やん?現実の仕事でも在庫管理してんのにゲーム内でも在庫管理とかさせんなよ!
普通、真っ当に生きてた善良なオッサンなら、異世界転生とかしてチート能力のある2次元金髪ロリババアとかになりたくなるもんだろ?なりたいだろ!みんなが優しくしてくれて、可愛い可愛いと言ってくれる世界や!アンリアルってそういう事だろうが!真の魂の自由ってそういう事やろ!?
アメッカス君さぁ、君達はゲームで無駄にリアルなキャラクリを我々ユーザーに強制してはいるが、その裏で3Dエロ動画の上位に必ずFF7リメイクのティファやニーアオートマタの2Bがいるし、心の内ではギルティギアのブリジットくんの股間の膨らみが気になって仕方がないんだろう?わかってんだよ。
ポリコレに屈して鬱屈した欲望を変な形で表現してんじゃないよ!これじゃ名作RPGというより、規模のデカいバカゲーじゃないですか。
同じベゼスタでも対照的だったゴーストワイヤートーキョー
スタジオが違うので厳密には別会社のゲームではあるが、ゴーストワイヤートーキョーは一応ベゼスタ傘下の日本スタジオのゲームである。
アレは普段人がゴチャゴチャしている渋谷から全ての人を廃して、リアルでありながら非現実的な世界を構築していた。スターフィールドとはメチャクチャ対照的な「1人ゲー」である。
日本人的にはそういうゲームの方が合うんだなぁと改めて痛感した。我々日本人はアメッカスとは違う感性で生きているのだ。