外付けGPU・ONEXGPU2について考察
Radeon7800Mを搭載したONEXGPU2がもうじき発売(海外)
以前の記事でも紹介したRadeon7800Mを搭載したeGPU製品ONEXGPU 2が近々発売されるらしい。
どーもクラウドファウンディング企画での製品らしく、想像以上に寄付が集まっての製品化らしい。確かに、こんなの改造好きの自作PCユーザーは胸躍る品じゃないですか。
まもなく発売という事で10%オフセールが告知されてましたが、それでも現在の為替レートで899ドル≒約14万円という事で、普通にPS5proを超える価格になってて微妙な表情になる。
そんな訳で、ONEXGPU 2の長所短所を考察してみようと思う。
考察
・接続するPCにもよるが、PS5proより性能が高い場合もある。
GPU単体の性能面で言うと、PS5proのGPUと思われるRX6800無印(M?)とRX7800Mのベンチ性能はぶっちゃけどっこいどっこい。
便宜上のスペックは7800Mの方が上なのだが、デスクトップ版のRX6800とリークされたモバイル版7800MのTimeSpyスコアを見ると、RX6800の方が高性能っぽい。まぁ外付けで本来の性能が出てないってのもあるけど。
ただPS5proはCPUがZen2なので、その辺でボトルネックが生じる事は確実。外付けとはいえ、Ryzen8000シリーズのような直近のUMPCを繋げた場合、フルHDではONEXGPU 2の方が強い可能性は充分ある。
微細化による省電力化とAIアクセラレータなどの進化が7800Mの方が上なので、アップスケーリングなどは確実にONEXGPU 2の方が性能を発揮できると思われる。
・物理的に小さい。
ONEXGPU 2はミニPCサイズなので、置き場所は確実に食わない。その分、PC本体が別に必要となるわけだが、UMPCユーザーにはさしたる問題にはならないだろう。
・既にsteamdeck等のUMPCを持っている人には強力なアイテム。
ONEXGPU 2の強みは確実にこれ。OculinkインターフェースがあるUMPC持ってるユーザーにとっては、これ1台でほぼハイエンドゲーミングPC並みの環境でゲームを遊ぶことができる。
・既にミニPC持ってる人にも強力なアイテム。
上記同様
・AFMF等の各種AMD側のアップスケーリング技術が使用可能。
これも大きな利点。PS5proはRSR=「Radeon Super Resolution」相当のPSSRをアップスケーリング技術として売りにしているが、あれは実質低解像度で出力した映像を高解像度モニタに合わせて隙間を埋めている技術であるので、同一解像度で使うには、ゲーム側が対応したFSR等の環境が整わないと、同一解像度でのフレームレートを上げるアップスケーリングは適応できない。ONEXGPU 2の場合はパソコン環境での運用になるので、PC同様にRadeonソフトウェアの機能をそのまま使うことが可能。
RSRやPSSRを簡単に説明すると、要するに4Kネイティブ=3840 x 2160で出力するとどう考えてもGPU性能が足りないので、それよりも負荷の軽い解像度:例えばフルHD=1920 x 1080等でGPUに処理させ、それを4K解像度に引き延ばして隙間をAIによって埋めているという技術である。
個人的に、ソニーのこのPSSRの宣伝方法には思うところがある。あたかも「高性能ならPS5proなら4K余裕で行けます!!」という触れ込みに見えるが、実際はフルHDネイティブか、頑張ってせいぜいWQHDまでが描画性能の限界であり、4Kはこうしたアップスケーリングでギリ描写できるに過ぎないわけである。PCユーザーから反感を買うのも、まぁそういう部分もある訳よ。
ONEXGPU 2の欠点
・高い。
縦置きスタンドは付属しているが、PS5proより更に2万高いのに加えて、別にPCが必要になってくる。既にパソコンを持っている人には選択肢になるだろうが、家庭用ユーザーにはまず選択肢に入ってこないね・・・。
・外付けなので性能を完全に発揮できていない。
ONEXGPU 2はあくまでOculinkによる外部接続デバイスであるため、実際に7800Mを内蔵した場合のGPU性能を完全に発揮できていない。
ワイの買ったAlienwareM18の方が普通に良くね?
しかも、より高性能なデスクトップ版のRX7800XTは8万円くらいで買えちゃう為、普通にデスクトップPCがある人はそっち買ったら良くね?という話になってしまう。
結論:要らね。
まぁ、元々がネタ枠の浪漫品であるからして、要るか要らないかでいると要らないかな・・・という結論。UMPCやミニPCのみ持っている人には、グラフィック性能を一段上げるための選択肢になるかもしれないが、14万という価格はハイエンドGPUが普通に買えてしまうので、やっぱ中途半端感が否めないんだよなぁ・・・。