令和6年能登半島地震ルポ金沢市より⑤
─2024年1月5日
午前0時5分頃。能登で震度4、やや大きめの揺れが10秒から15秒ほど。窓が音を立てて揺れ、細かい震動より大きい揺れが長かったため緊張する。
午前9時半頃に起きた。この季節には似つかわしくないほど最近は天気が良く、今日も空は明るい。
ただ風が強く、隙間風が窓やらドアやらをカタカタ揺らす。先の地震以降、家のあちこちで軋む音がする。今の自宅は祖父が建てたためかなり年季は入っているだろうが、こんなに音がしただろうか。敏感になっているだけか…。
午後2時。通院で金沢大学附属病院へ。道中、県外の所属の救急車が列を作っているのを見た。
私の担当の先生も1日の地震発生当時、七尾市の病院で当直をしていたらしくかなりご苦労の様子だった。
午後8時45分確認時点、県内死亡者数94人。安否不明者数222人。各地で炊き出しなどボランティアが活躍している映像が報道される。少しでも多くの人に温かい食事が届きますように。
午後10時10分頃、能登で震度4。ドンと突き上げるような衝撃。揺れは5秒もなかったものの久しぶりに家が大きめに揺れる。
─2024年1月6日
午前2時頃。能登で震度4。初めは小さな揺れ次第に大きくなり、一度強い衝撃。ここ最近でも大きかったのではないか。
午前5時半前、能登で震度5強、加賀で震度3、富山では震度4を観測。早朝で私自身深く眠っていたため今回の地震に気が付かなかった。家族に聞くとかなり揺れ怖かったと。先の大地震から1週間が経とうとしているが、依然気を抜くことができない。
今晩から明日にかけて天気の悪化が予報されている。気がつけば夜にかけて雨風が強くなって来た。午後11時20分頃、能登で震度3。最初に強い揺れがグラっとした後に小さい揺れが5秒ほど。この地震について午後11時40分ごろに能登で震度6弱、マグニチュード4.4と訂正された。
ニュースでは瓦礫から120時間ぶりに救出された方の報道があった。いわゆる「72時間の壁」が過ぎた現在も諦めてはいけない問題は多いのだろう。
現在各報道局で確認できている県内死亡者数は126人、安否不明者は210人とされ、一連の地震で死亡者数が100人を超えたのは熊本地震以来だという。
─2024年1月7日
午後2時頃から金沢市内でも雷が鳴り吹雪始める。幸い雪は降り続かなかったものの天候の悪化が、この先地震が起きた際の障害となることが予想されている。
午後2時40分頃、能登で震度4。一瞬ぐらっと家が揺れ前後に小さな震動は感じられなかった。
午後7時、家族で夕飯を囲みながら地震関連のニュース。先の地震発生後2、3日は倒壊、焼失した家屋の映像が多かったが、ここ最近は救助された方の映像も紹介される。一方で救助が間に合わなかった方の報道も多く流れてくる。非常に胸が苦しく、しかし一人の大人として、石川県に住まう者として、この出来事を後世に記録して繋いでいかなければならないと感じる。避難所での物資の過不足も報告されているほか、積雪に伴い能登への移動を控えて欲しい旨も報道された。
県内死亡者数128人、安否不明者数は195人と増減を繰り返している。
午後9時40分頃、能登で震度4。やや強い揺れが10から15秒ほど続いた。揺れが強く長かったことから念の為ストーブの火を落とし扉を開けて動線を確保した。
─2024年1月8日。朝起きてみると寒く、屋根には雪が乗っかっていた。
能登地方も雪が積もり始めており物資輸送も滞り始めている模様。積雪による現地在住者の事故も起きており影響を現し始めている。
午後2時時点で県内の死亡者数は168人、安否不明者数は323人。
─2024年1月8日
午後6時頃、新潟中越地方で震度5弱、能登で震度4。金沢市もかなり大きく揺れ20秒ほど続いた。
一連の地震が起因し、関連するものかは定かではないが、こうも大きな地震が続くと不安は増すばかりである。
一連の地震活動により、輪島市で海岸が最大で240メートル広がっていたところもあったと。かなり大きな活動が目に見える形で新たに“露出”した。
本日時点で、県内の死亡者数は202名、安否不明者は102名。
─2024年1月10日
午後8時、能登で震度3。揺れ自体は大くはないが窓が窓がガタガタと音を立てて揺れた。
今日現在で県内死亡者数は206人、安否不明者は52人。
─2024年1月11日。
午後4時30分ごろ、能登で震度2。一瞬だがぐらっと揺れ、家がギチッと音を立てる。
今日現在で県内死亡者数は213人、安否不明者数は37人。
─2024年1月12日
一日、感じられるほどの地震はなかった。
県内死亡者数は215人、安否不明者数は28人。
─2024年1月13日
今日も感じられるほどの地震はなかった。
県内死亡者数は220人、安否不明者数は26人。