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とってつけた

もう一周回って好きです。あなたのことが。

この世界にはいろんなニュアンスの「好き」があって本当によかった。
アタシはこの青臭くてまっすぐであやふやで痛々しい言葉が大好き。
だから自分のそばにいてほしい人にも、ぬくもりをお裾分けしてくれる人にも、しばらく会ってないけど遠くで頑張っている人にも、ふやけた輪郭だけどお肌に柔らかくみんなに伝えられるこの言葉が本当に大好き。

大好きだよ。多分これからも。きっとね。

ふと思い出すことがある。
鮮やかなスカイブルーにゆっくりと白を混ぜていく。白を混ぜているのにだんだん赤くなっていって、やがて限りなく黒に近づく。黒くなるのに暗くないのは光がまだ輪郭を持っているから。
ひんやりとした空気に塊を切り裂くように、二つの車輪は紺色のアスファルトを蹴っていく。喉が凍り付いてひりひりしていく。心臓が鼓動のリズムを取り戻し、肺が大きく膨らむ。ペダルを踏みこむ脚は一定の稼働範囲を維持したまま止まることを知らない。風を切り、走り続けるために設計されたフレームはそのさずけられた才能を果たし、アタシもフレームの一部になったみたい。自転車を走らせているのか自転車に走らされているのか。
遠く輪郭だけになった堤防のふちに夕日が落ちていくのを見ながら、家路ともつかない折り返しを。アタシはまだ家に帰るために走っているのではなく、走るために走っているのである。


いまいち体調が戻らないから、すっかり涼しくなった曇り空の下、部室からコンビニまでの100メートルないくらいを散歩する。
季節は確かに冬に近づいているのだろうけど、木々花々が紅葉する前に散り始めたものだから、いまだに夏を抜け出せていなような宙ぶらりん。
カスタードにこだわっているやらマダガスカル産のバニラを使っているやらの鮮やかな包装を施した一番安いシュークリームを買ってきたけど、なんのこっちゃ分からないまま4口ほどで平らげてしまった。
美味しかった。

宙ぶらりんなりに夏をやり切った感。とりあえず夏に照準を合わせてやってきたから今はやり切りたい何かを模索している。この手続きがどうやら苦手らしい。一番しんどいのはやる気はあるのにやりたいことが見つからない時間。こんな時は、目の前に確かにあってどれだけ使い倒しても消耗しないものを飽きるまでこすり続けてしまう。ゲームとか音楽とかそこにあるものを繰り返し、くりかえし、クリカエシ…。とって付けただけの安心感。凝り固まった心にはじかれてカラカラ音が鳴りそう。
ここまで来たら寝るしかなくなって、でも明日っていうか、も一回起きるには遅くて、でも 寝ない方が絶対しんどくて、でももうどうしたらいいのか分からない。分からないけどもう考えたくない。考えたくないけど考えるのをやめたくない。

いつの間にか眠ってていつものアラームに起こされると、見事に風邪をひいてたんだ。まあここ最近の寒暖差と言い、中途半端に詰め込んでしまったスケジュールと言い、そりゃお体に負担かかってますよって条件がぱーぺきに揃っていたわけですな。
いっちょ前に誰かに「ご自愛ください」とか言っときながらこの様ですわ。おとなしくお布団に食べられながら病人らしくやってますよ。
とはいうものの微妙に体力が余っているから、寝てるだけじゃモノ足らんです。部活のメンバーに宛書しながら台本ポチポチしたり、小林賢太郎一気見したり、わざと体に悪そうなもの食べてみたり。授業の課題はまあ適当にやって早く部室に行きたい一心で風邪さんと格闘する。眠くなったら寝て、1ミリでも思いついたらやるだけ。多分今はその方がいいらしい。

そのまた次に日はやっとこさ最寄りのクリニックを受診。
インフルやコロナだったら学校のみんなとか新しいバイト先とかいろんな人に迷惑かけてしまうわけで、でも本心を言えば二日休んだ分がコロナで公欠扱いになったりしないかなとか。
まあ無事にというかなんというか何にも陽性せずというか検査すらせずただの風邪でお薬もらって背中を丸めながら帰ってきたわけ。
しかし病院というのは行ってるだけで体調が悪くなってきますな。正確には体調が悪くなってる気がしてくるのだよ。よくできてるほんとに。
おうち帰ったら、アマプラで映画一本見て、課題やって、みんなの帰りを待とっかな。
ほおら寒い風が吹いてきた。あと夕日がきれい。いい部屋といい景色といい壁それにいい色。

月に一回病院の先生にカウンセリングしてもらってたのが先月で終わった。月一とはいえ定期的に話を聞いてもらってたのがなくなるだけで、もやもやはたまっているのかもしんない。楽しいことやっているけど、間違いなく楽しいことなんだけど、それだけじゃとげとげしたところがまだ痛いんだよね。ちなみにカウンセリングは4年間通ってた。なおさら場所がなくなった反動がしっかりしてるわけだ。とげとげしたものを丸めようなんて思ってないし、それをそのまま抱きしめることはできないのかと。
そんなこんなでこのエッセイというかブログというか駄弁りというか真似事は、アタシがある意味健康であるために吐き出し続ける場所になっていくんじゃないかな。そろそろ言葉が出なくなってきた。


沢山のみんなへ。
いつもありがとう。
しんどい時こそありがとうです。これアタシが前言ってたらしい。
頑張るなんてことは基本自己満足でいいんです。頑張ったかなんて独りよがりでいいんです。自分の夢くらい無責任でいいんです。吐き出してる時くらい泣いていいんです。やるせなくていいんです。進んでもいいし逃げてもいいしそこに居続けたっていんです。ここはアタシの居場所なんです。柔らかくたって固くたっていんです。怖くたっていいんです。必ずじゃなくていいんです。そっとでいいんです。とってつけたやつでいいんです。ただのやつでいいんです。嫌いでもいいんです。

本当に大好きなんです。

アタシはまだ、
走るために走り続けたい。

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