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フライドポテトはおかずに入りますか?

みんな大好きフライドポテト。可愛い我が子は目に入れても痛くないと言うが、フライドポテトを主菜あるいは副菜にするのはいかがだろう。それには異議を唱えるって?一体どうしてだい。

古今東西、議論の尽きない話題のひとつが「おかず問題」である。「◯◯はおかずだろう!」「いいや、おかずじゃない。主食だね!」と争いは絶えない。しかし、参加者らは怒りに打ち震えているわけではなく、むしろその言い合いを楽しんでいるのだ。意見の異なる相手の主義主張を聞き入れながらも、自身のポリシーを曲げずに押し通さんとする。そのせめぎ合い、殴り合いが気持ちいいのです。

脱線して申し訳ないのだが、これだけは言わせてほしい。おかずを巡る議論において、僕は穏健派だ。おかずにしようと主食にしようと、個々人の思想を尊重したいというスタンスでいる。それでも1つだけ許せないのは「おでん」だ。世にはおでんをおかずと認めない軍勢がいるらしい。「おでんはおでんだ、単体で食すことしか許さない…」と。では何か、煮物もおかずではないと言うのか?おでんは煮物の一種ではないのか。煮物を白飯の横の小鉢に入れることを許して、おでんを許さない理由を解せないのだ…。

まあいいさ、言いたいことを言えたのですっきりした。本題に移ろう。フライドポテトについて、かねて疑問に思っていることがある。フライドポテトといえば、酒のアテにつまんだり、ハンバーガーと一緒に食べたりすることが多い。では、白飯のおかずにはならないのか?確かに、僕は誰かがフライドポテトをおかずに白飯を食している様子を見たことはない。少なくとも一般的ではないのだろう。ではコロッケはどうだ?戦後、貧しい日本の家庭を支えた代表的な惣菜だ。そして今なお食卓を彩る一軍と言って差し支えないだろう。

フライドポテトもコロッケも、ジャガイモを揚げた料理であることに違いはない。この立ち位置の差はどうして生まれたのか。ジャーマンポテトはどうだ。あれはフライドポテトの親戚じゃないか?洋食ではあるが、ギリ白米のおかずとして許容される気がする。ジャーマンポテトとフライドポテトの差を考えると分かりやすいかもしれない。ジャーマンポテトには肉が盛られているし、調味料で濃い味付けが施されている。思えば、コロッケも芋だけではなく、ひき肉やコーンなど他の具材が入っているし、衣の部分と中身で異なる食感を演出している。そこにソースでもかけようものなら、味の情報量としては一品料理の名に恥じぬ布陣だ。

そういうことか…。フライドポテトはおかずとしては味がシンプルすぎるのかもしれない。もし、肉など入っていない簡素なコロッケの中身部分だけをくり抜き、それを白飯のおかずにするか?と問われれば、うぅんと唸る人も多そうだ。フライドポテトとコロッケ、おかず入りするかどうかの決定打は味の情報量にあるのかもしれない。まぁ、僕はフライドポテトも全然おかずにしますけどね。

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