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眠るために生きてる

眠い。とにかく眠いです。起きている間はパソコンの画面に向かって作業をしていることが多いのですが、うっかりすると意識が飛びそうになる。気づけば長時間ご飯を食べていないこともあるので、空腹でフラフラなのか、眠気で意識が朦朧としているのか分からないこともある。おそらく、僕がもっとも目をかっ開いて意識が覚醒しているのは、車を運転しているときだろう。さすがに運転中にゆめうつつでいるわけにはいかない。逆に言えば、それ以外の時間はいつでも眠りにつけるくらいぼんやりとしている。どうでしょう。こんな僕は、過度な眠気に苛まれていることを嘆いているように見えるでしょうか。いいえ、そんなことはありません。というよりむしろ真逆です。

つい1ヶ月ほど前の日記を見てみると、僕は昼夜逆転した生活リズムや、寝たくても夜に眠ることができない状態に悩んでいたようです。身体は眠いぞと主張しているのに、脳が緊張状態にあるのかなかなか眠らせてもらえない。結果、イカれた脳内司令官と僕の身体が根比べをして、司令官が根を上げたタイミングで僕は眠りについていた。けれど、どうも彼は仕事へ並々ならぬ熱意を持っているようで、すぐに現場復帰を果たす。すると、僕は4〜5時間で起こされることになる。

睡眠障害というと、大きく2種類あります。寝過ぎor寝なさ過ぎ、です。僕はこれまで、どちらの状態も経験があります。中高生の頃は、とにかく眠って眠って、そしてまた眠っておりました。土日や夏休みなどの長期休暇ともなると、毎日15時間以上寝てたんじゃないでしょうか。当時の僕は、その過眠状態にひどく苦しんでおりました。というのも、やはり多感な時期ですから、いろんなことに興味があったわけです。友達と遊んだり、ゲームしたり、アニメ見たり、音楽聴いたり、習い事に行ったり、家族と出かけたり。やりたいことは山ほどあるのに時間が足りない、そんな青春全開の年頃に、1日の2/3を寝て過ごすなんて言語道断。ありえません。友達と遊ぶ約束をしたのに、当日に眠過ぎて起きることができずキャンセルなんてこともたびたびありました。重要なのは、寝坊ではないということです。ちゃんとアラームが鳴れば起きるのですが、出かけるための支度をしている最中に眠過ぎて眠ってしまうのです。もはや卒倒です。それほど眠気に悩まされてきました。実は僕の親も睡眠障害だったのですが、過眠タイプの僕とは違い、ものの数時間で目が覚めてしまうというもの。親はもちろん悩んでいましたが、当時の僕としては羨ましくて仕方がなかった。しかし10年後、僕は地獄を見ることになる。そう、睡眠障害のタイプが変わったのだ。過眠から不眠へ。

結論だけ申し上げると、両タイプを経験した僕からすると、圧倒的に不眠の方が辛く苦しい。こんなドヤるように言わなくても自明の理だとは思いますが、やはり不眠はきついです。世間的には睡眠障害=不眠というイメージがあると思うのですが、それくらいに不眠は邪悪なのです。子供の頃は、起きている時間は楽しくてウキウキするようなイベントが目白押しだったでしょう。見るものすべてが新鮮で、何をやっても楽しい。だから、可能なら一睡もせずにずっと起きていたいほど。けれど、大人になると事態は一変します。現実は見たくないものが溢れている。釈迦も「一切皆苦」といっているように、現世には苦しみしかない。であれば、生きている間は極力夢の世界に行っていたほうがいい。しかし、夢の世界だって理想郷じゃない。僕はいっとき、毎晩悪夢を見て睡眠そのものが恐ろしくなったことがある。いったいどうしてこんなことが起こるんだ。答えは明確で、現実が苦しいからだ。現実の苦しみをそのまま夢の世界に持っていってしまうから、夢の中でそれが具象化して僕を襲うんだ。ったく、ほんとうに現実というやつは世話が焼ける。きみの相手をするのは起きている間だけにしてほしい。現実はどうやらメンヘラ気質のようなので、ちゃんと手塩にかけて世話をしてやらないと夢の中まで追いかけてくる。だから、起きている間もある程度は健やかに過ごす必要があるのだ。

いいですよ、ゆめうつつというのは。程よく手を抜いて現実を生きている感じがして。ストレスに対しても鈍感になれているように思います。日中ずっと眠いというのは一見大変そうですが、なかなかどうして、悪いことばかりでもなさそうです。

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