倍速視聴を受け入れられない
ガソリン車かEVか、読書は紙の本か電子書籍か、創作にAIを使用する是非、アニメや映画の倍速視聴、など、今はまさに時代が移ろう渦中といえるでしょう。これら全てにおいて「こっちが正解!」という明確な答えはなく「状況に応じてうまく使い分ける」言わば中庸が肝心なわけだ。
時代に取り残されるという危機感がありながらも、僕はいまだに倍速視聴を受け入れられずにいる。解説系の動画ならまだしも、ストーリー仕立ての動画や作品においては倍速や飛ばし見など言語道断!という固定観念を拭いきれずにいます。100歩譲って僕ができるのはOPとEDのスキップくらい。これが限界だ。それでも第1話のOPとEDは必ず観ますが。最近だと第1話にはオープニング映像がなく、ラストシーンでOP曲が挿入歌のように流れる、みたいな演出も増えてきた。なので、正式にOPとEDを観ることができる第2話も飛ばすことができなかったりしています。
僕のなかに存在する欲求は2つだ。「物語をじっくり楽しみたい」そして「色々な作品に触れたい」である。この相反する2つの欲求がせめぎ合った結果…コンテンツ過多な時代背景のもと生まれた倍速視聴という新たな文化を受け入れられず、消去法的に「物語をじっくり楽しみたい」という気持ちに軍配が上がる。ただ、時代の潮流に乗っかり倍速視聴を上手く活用している人たちへの羨み、嫉妬の気持ちが「ばば、倍速視聴なんて…!作品および作者への冒涜だ!!貴様それでもオタクか!」という他者批判に繋がっている。これはただの論点ずらしで、先に書いた自分の根本的な欲求とは異なる。
先日、桜井政博氏が自身のYouTubeチャンネルにて、ゲーム内テキストの読み進めに言及していた。その際、映像作品の倍速視聴にも軽く触れている。明言はしていないが、恐らく氏は倍速視聴をしているような雰囲気だった。また、自身がゲームのテキストを読み進めるスピードを実際の映像付きで紹介しているのですが、そのあまりの速さに驚きを隠せない。さすが効率の鬼…どうりで多忙のなか沢山のゲームをクリアできるわけだ。
本田圭佑も言っていましたが、何事も上達するためには質よりまず量なのだ。とにかく数をこなす、場数を踏む。やってやってやりまくる。質など後から考えればいい。彼に限らず、プロは常人が思っている以上に試行回数が多い。どの作品を観ようかな〜う〜ん、あれでもないこれでもない、と考えている暇があったら、つべこべ言わずに今すぐ観ればいい。途中でなんだかイマイチだなと感じれば、倍速にするなり視聴を中断するなりすればいいのだから。行動も起こさず思考の迷路にハマってソムリエをしている場合じゃない!僕がこうして足踏みをしているうちに、新世代の若者たちはどんどんインプットをしているぞ。古い価値観にしがみ付かず柔軟に対応していけ…!