Twitter2ではダメなのだ
ミーハーっぽくて抵抗もありますが、かれこれ14年くらいTwitterに入り浸っているので、戯言の1つや2つ垂れてもバチは当たらないでしょう。
mixi2がリリースされたことで、昨日はTwitterが随分と湧いていた。そもそもmixiの話題で盛り上がるあたり、やはりTwitterは他SNSに比べて年齢層が高めなのだろうなと再確認した。
新しいSNSが登場し、期待の新星だと持ち上げられることは過去に何度もあった。マストドン、ミスキー(分散型SNS)、最近だとブルースカイなどなど。そういえばクラブハウスなんてのもありましたね。どれもこれも鳴かず飛ばず、という訳ではないが、やはりTwitterに取って代わるほどの存在にはならなかった。一体なぜなのか。
振り返ってみると、mixiからTwitterへの移行は驚くほどスムーズだった記憶がある。そもそも、当時はmixiとTwitterの役割が明確に分けられていたように感じる。今では考えられないと思いますが「Twitterは有名人のツイートを見るためのものでしょ?」「一般人のツイートなんて見る人いないでしょw誰も興味ないよ」という声が多くあった。なので、Twitterは有名人や公式アカウントの投稿を見て情報を得るための手段、mixiは一般人同士が繋がりコミュニティを築く場。少なくとも僕はそういうイメージでした。
しかしある時、mixiユーザーが次々とTwitterに移住する一大ムーブメントが起こった。機能盛り盛りでゴチャついていたmixiにストレスを感じていた人も多かったのでしょう。僕のマイミク(フォロワー)達も、「Twitterに移行します、IDはこちらです!Follow me!」という陽気な言葉を残し新天地へと去っていった。
かつてのmixiと現在のTwitterの大きく異なる点は、その規模感だろう。先に書いた通り、mixiは一般人同士が繋がる場という色が強かった。なので、マイミク達がmixiを出て行ってしまうと、自分の周りには何も残らない。あっという間にゴーストタウン化さ。だから、それまでの繋がりを断ちたくないmixiユーザーは皆が皆、Twitterへの移住を余儀なくされた。
しかし現在のTwitterは違う。知人や友人はもちろん、一般企業や果ては公的機関までもがアカウントを運用している。もはやTwitterは一大帝国を築いたと言っても過言ではなく、ヘビーユーザーにとっては社会インフラの一つになっている。なので、話題の新SNSに移住を試みるも、結局は故郷のTwitter国が気になってしまい帰国するのだ。この楔は簡単には断ち切れない。もし、あなたが日本という国に何かしら不満を抱いているとして「あの大陸に素晴らしい土地が見つかったぞ!まさに新世界!みんなで移住しよう!」と言われたら、いそいそと日本を離れられるだろうか。僕には無理だ。衣食住をはじめ、文化的・社会的な価値観、常識が日本に根付いている。国を離れるには相当の覚悟が必要だ。大袈裟かもしれないが、古参のTwitterユーザーが他のSNSヘ移住するには、そのくらい大きなハードルがあるはずだ。
そして、Twitterユーザー自身にも原因はある。「今のTwitterは息苦しい!」「かつて青春だった、あの素晴らしいTwitterを返してくれ!」そんな不満の声は絶えない。けれど、それは当時のあなたの年齢、そして当時のネット社会だからこそ存在し得た楽園なのであって、全く同じTwitterを今再現したところで、あなたの期待に添うものにはならないだろう。
余談ですが、10数年前のTwitterが特別平和だったかと言うと、僕はそうは思わないですね。話の通じない連中、文章を読めない輩からのクソリプは今も健在ですが、当時はそれを優に超える理不尽があった。センスのあるツイートやそのカリスマ性で多数のフォロワーを擁する一般人アカウント、俗に「アルファツイッタラー」と呼ばれる存在がいた。僕はある日、その内の1人を名指しで「◯◯って誰?www」という挑発ツイートをした。@マークは付けていない。しかし、エゴサをした本人から「きみ、明日にはアカウント消えてるよ」とリプライが届き、程なくして僕のアカウントは凍結された。彼の率いる烏合の衆から集団通報されたのだ。なにこの粛清。北朝鮮か?ちなみに、そのアルファくんは後日「秋葉原にサリンを撒きます」という洒落にならないツイートをして大炎上、表舞台からは姿を消した。これは僕個人の体験談に過ぎませんが、まあそのくらいにカオスな場所でしたよ、ということで。
閑話休題、話を戻そう。つまるところ、「この部分を直して欲しい!」くらいの不満を持ちながらTwitterを利用しているユーザーがボリューム層なのだと思います。不満を持つということは、期待をしていることの裏返しでもありますからね。期待がなければ不満など言わず、無言でTwitterを去るのみです。
「ずっとアニメやゲームの話だけしていたい」「平和なニュースだけ流れてくるTLだったらいいのに」彼らは本当に心の底からそう思っているのだろうか。メロンパンの皮だけを食べたい?OK、メロンパンの皮だけの商品作りました!カプリコの頭部分だけを食べたい?OK、頭のチョコ部分だけの商品作りました!でも、話題になるのは最初だけで、結局みんな普通のメロンパン、普通のカプリコに戻るんでしょう?Twitterだって同じだ。「欲しい部分」だけくり抜いたって、やっぱり何か物足りない。味気ない。可愛い猫の動画が流れてきたと思ったら、次に目に入るのは政治家への長文ヘイト投稿。コンビニスイーツの新作発表。YouTuberが悪ふざけ動画で炎上。有名絵師のエッチな二次創作イラスト。男女の価値観を巡る小競り合い。どこかの小学校の校長が児童へのわいせつ容疑で逮捕。秩序などない、むしろ秩序のないことが秩序。ストレスさえも愛おしい、こういうごった煮が大好きなんだ、Twitterユーザーってやつは。そう易々と移住先が見つかるはずはない。
mixi2が登場するやいなや「これがTwitter2か!」と持て囃されている。好意的に捉えられているように見えて、しかしこれではダメな気がする。ユーザーとて、Twitterの代替品を期待するのはとんだお門違いだ。さんざんTwitterにブーブーと文句を言っている癖に「Twitter2」とは…やっぱり皆、Twitterが大好きなんだね。素直でよろしい。が、mixi2はTwitterの延長線上にあってはならないだろう。独自の地位を確立したインスタやTikTokがそうであるように、mixi2はmixi2の色をしっかりと出していかねばなるまい。Twitter2にはならないでほしい。mixi2に頑張ってほしいのだ。一介のTwitterユーザーからの、これが切なる願いです。