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人生のバトンを託す相手は決まったか

これまで、ふんわりと「可愛いものが好きだ」という意識を持ってきましたが、あまり真剣に向き合ったことはなかった。「興味を持ったもの=好き」だった幼少期とは違い、なかなか自分の好きなものが見つからない大人。だから、大人の自分が好きなものは、もっと大事にした方がいい。

心が病んでしまった時、何もかもが苦しい時、やっぱり僕を救ってくれたのは「可愛い」だった。フィギュアなり、ぬいぐるみなり、イラストなり。20代の後半以降は涙腺が緩くなるので、それらを見ると涙が止まらないこともある。

だから、僕はもっと「可愛い」と向き合わなければならない。今までのように漠然と好きなままでもいいけれど、これほど自分の核となる要素を、雑に扱いたくない。

ミスドのキャラクターデザインでお馴染みの原田治は、生涯にわたって「かわいさ」を追究した。

「原田治展」にて

prettyでもcuteでもない。kawaiiという日本人特有の感覚には、確かに淋しさや切なさといった哀愁が含まれる。それは竹久夢二の夢二式美人にも共通する点がある。けれど、理屈を頭で理解するだけではダメなのだ。僕は人生にもっともっと可愛いを取り入れる必要がある。そして常に可愛いを浴びよう。全身全霊をもってして可愛いを感じよう。故・原田治がそうしたように。

今年はいままで以上に「可愛い」を集めます。「どうせいつか捨てるんでしょ?」とか「お金がもったいないよ」とか、これまでは自分に謎のブレーキをかけていた。そんな配慮は必要ない。可愛いものが好きなのだから。

30代になると、周りの友人たちは結婚して子育てに奮闘している。20代までで自分のやりたいことを大体やりきり、「人生の主役」というバトンを我が子に託したのだ。悲しいが、僕にはバトンタッチをする相手がいない。だったら、これまでの人生で見つけた大切なもの、大好きなものを追究するほかないんだ。

僕は自分の人生を降りられない。否が応でも第二の人生が幕を開ける。であれば、自分のこれまでの集大成、エッセンス、それらを深掘りしていこうではないか。「可愛い」を究めることが、そのファーストステップだ。いくぞ。

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あるの
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