
週刊日記:味覚変わり
◆味覚
誰かと食事へ行くと、思いのほか生魚を食べられない人がいることに気づく。青魚は苦手、とか、貝類は得意じゃない、など部分的なものも含めて。
僕の生まれ育った土地は「すぐ隣が港町」くらいのポジションなので、食卓にはしょっちゅう海鮮類が並んだ。朝は味噌汁にアサリ、昼は主菜に焼き魚、夜は副菜として刺身、といった感じで3食続くことも珍しくない。白飯をおかずにして魚を食べていたと言っても過言では…いや過言ですね。とはいえ、そのくらい海鮮類が僕にとって身近な食材だったということです。
そんな僕が、とうとう生魚を食べられなくなってしまった。刺身を一切れ口に含むと、強烈な生臭さに思わず「ウ”ッ」となる。
歳をとって油っぽいものが食べられなくなるのとは訳が違う。それは「若い頃に5個は食べられていた唐揚げを3個しか食べられなくなった」という、消化能力の低下などに起因するものだ。生魚については、それ自体を体が拒絶するようになったのでして、食べる量が減ったとかではない。
グールになった金木くんは人間の食べ物を食べられなくなった。ハンバーグなどを無理やり食べてみても、結局は嘔吐してしまう。そして人肉を求めるようになるのです。つまり僕もいつか…。
そもそも、なぜ生魚を美味しいと思って食べていたのか分からない。しょっぱくて美味しいとか、甘くて美味しいみたいな単純なものじゃないですよね、魚って。当時から生臭さは感じていたし、それも含めて総合的に「これは生魚の味がして実に美味ですな」と判断していたのだ。ひどく曖昧で感覚的なもの。少しでも歯車がズレれば、その生魚らしい味は「美味い」から「無理!」に変わってしまうのです。日頃当たり前のように食べているものが、いつまでも美味しいと感じられる保証はないのだ。
◆雪
ここ数日ずっと雪が降っている。雪の降る町。
だったら、雪景色の写真や動画を撮ったりするのが雪国住みである僕の使命なのかもしれない、と勝手に感じています。そうしたいのは山々なのだけど、何せかなりの積雪なものですから、そう易々と外出ができないのですよ。車を出そうにも、車庫の周辺で雪かきをして道を作らなければならない。徒歩ならば長靴は必須だし、そんなダサい格好をしてまで外に出たいとは思わない!すべて言い訳ですが。
幸か不幸か、僕は外に出る必要があまりないのだ。仕事は自室でやっているし、食べ物も備蓄がある。けれど、こうやって引きこもりを極めることでメンタルが瓦解したりするので、適度に外出をしなければいけない。
そうだ、僕は傷病手当の申請をするために病院へ行くというミッションがあったのだ。外へ出かける理由が生まれた。メンタル改善のために外出するのに、その行き先が精神科という皮肉っぷり。可笑しいね。
2025年2月第二週。
お疲れさまでした。また来週。
いいなと思ったら応援しよう!
