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最もカッコよく、可愛く、美しく、セクシーなポケモンを語る

ポケットモンスター、縮めてポケモン。今やその種類は1000を超えました。その中で最もカッコよくて、可愛くて、美しくて、そしてセクシーなポケモンは何かご存じですか?もちろん、言うまでもなくドラパルトに決まっているわけですね。

「実はオタクなんです」と公言するタレントのような言い回しになりますが、僕の人生はポケモンと共にあったと言っても過言ではない。僕が生まれたのは1994年で、ポケモン第1世代の『赤・緑』の発売年が1996年。3歳の頃、初めてプレイしたゲームがポケットモンスター緑でした。スピンオフなどの派生作品を除けば、最新の第9世代まで一通りプレイしています。

古のポケモンファンなので、つい昔のポケモンを贔屓してしまいそうなのですが、しかし、ドラパルトのデザインには敢えなくTKOを決められた。初めて見たはずなのに、ずっと前から自分の記憶の中にあったような、もはや懐かしささえ感じさせる鮮烈な第一印象は、一目惚れの域を遥かに超えていた。百聞は一見にしかず。ということで、まぁまずは見てください。

どうです、この洗練されたデザイン。まずドラゴンという時点で男の子のハートを射止めるには十分すぎる。男子生徒の9割はドラゴンのお裁縫セットを使っているんだから。しかも、ギラティナ以来13年ぶりのドラゴン+ゴーストですからね。クリスマスと無縁な陰キャだって歓喜の歌(第九)を熱唱してしまうさ。

では、まずカッコよさについて。ドラパルトという名前は、ドラゴン+カタパルトだと考えられます。カタパルトて…。飛行機を射出する装置のことですが、「ドラゴンに要素を1つ付け足して、もっとカッコよくして下さい」というお題を聞いて「よし、カタパルトにしよう!」となるか?この着眼点が実にクレイジー!実際、ドラパルトの頭部はカタパルトの機能が備わっている。進化2つ前のドラメシヤが装填されていて、射出できるようになっているのだ。そしてステルス機を彷彿とさせる三角形のシルエット、これはもう間違いなくカッコいいですよ。

次に可愛さについて。これを語る前に、複合デザインの難しさに触れておこう。例えばイラストを描こうと思った時に「あの色もこの色も使おう!」と、さまざまな色を盛り込もうとすると、なかなか収拾がつかなくなる。慣れないうちは3色くらいで練習すると良いそうだ。基本となる2色に、アクセントカラーを加えて表現する。

奇しくもドラパルトと「ドラ」繋がり

ドラえもんが良い例ですね。ドラえもんのイメージを構成する青と白に、鼻や首輪やしっぽの赤、そして鈴の黄をアクセントとして置く。アクセントは主張しすぎないよう、最小限にとどめる。こうしたバランス配分によって、まとまりのあるデザインが完成するわけだ。無論、これは色に限った話ではない。

さて、話をドラパルトに戻しましょう。ドラゴンにカタパルトの要素を足すことで「カッコいい」をデザインできたのだから、正反対の「可愛い」要素なんて加えてしまって大丈夫か?台無しになるんじゃないか?この塩梅が絶妙なのです。

注目すべきは手と足だ。可愛いポイントその1。ゴーストタイプを意識して、お手手は「うらめしや」の形をしている。ポイントその2。あんよが不安定でおぼつかない。まるで赤子のようだ。赤子を可愛いと感じる理由の1つに、ベビースキーマ効果がある。身体より頭が大きかったり、全体的に丸みを帯びていたりと、不安定な印象を与える要素の多さが「無垢で幼い」と感じさせるのである。

ドラパルトの首から下など、不安定そのものだ。手足はもちろん、お尻もぷりぷりとまん丸。そして、ゴーストタイプを象徴するかのような、オバケ感満載のしっぽ(?)。ドラパルトの下部には、これでもかと言うほど不安定要素が散りばめられているのです。

「可愛い」を意識してドラパルトを見ると、戦闘機モチーフの頭部でさえ、両端の赤色がリボンのように思えてくるのだから不思議だ。顔の中央より下に位置する大きな眼を閉じた姿は、ゆりかごで眠る赤ちゃんさながらです。可愛いなあ。

まだまだドラパルトの魅力は尽きない。正面だけでなく、後ろ姿にも優れたデザイン性が見て取れる。

地平線を描くように左右に伸びた頭部と、それを支える柱の如くどっしり構えた身体部分。正面からは不安定に見えた下部も、後ろから見るとなんと頼もしいのでしょう。そして、この美しいTの字のシルエットはまるでアート作品のようだ。

真っ先に頭に浮かんだのは、旧ユーゴスラヴィア圏に点在する慰霊碑でした。あれら巨大モニュメントを思わせる、迫力のある後ろ姿がたいへん美しいです。(戦闘機をモチーフとしたキャラクターを、先の大戦における慰霊碑で喩えるのは不謹慎かもしれませんが、あくまでデザイン上での話です。ご了承ください。)

さて、最後にドラパルトのセクシーさについても言及しておきましょう。その要となるのは目、眼、瞳です。いわゆる三白眼に属する類ですが、それにしても鋭い。直線的な頭部デザインも相まって、眼光が強調されています。しかも、よく見るとアイシャドウのように赤色が置かれているのですよ。見る者の意識の外でしっかりと効果を放つ、やっぱりメイクの力ってスゴいや!ドラパルトの場合、メイクではなく持って生まれたものでしょうけども。

補足しておくと、「要素の少ないデザインは劣っていて、要素の多いデザインが優れている」という訳では決してないです。ただ、先述した通り、一つの作品に複数の要素を取り入れるのはとても難しいということです。幾重の壁を超えて創り上げられた最強デザインのドラパルト、ここまで読んでくれた君もすっかり虜になっていること間違いなし!

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