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ポゼッション=負けギャンブル

試合とゲーム(言葉遊び)

試合とは試し合いです。其々が身につけた技術・戦術を試し合う場所という位置付けです。

これは日本の伝統的な競技に由来します。武道です。勝敗よりもそれまでの過程を披露することに重きが置かれます。

海外から輸入された競技の試合ゲームと呼ばれます。日本でゲームと聞くと最初に連想されるのはビデオゲームです。日本人はゲームという言葉に楽しむものという意味を潜在的に抱いています。

ゲームの語源を辿りました。ゲームとは、ルールがあり、勝敗が決するものの事です。

試し合いの場、ではありません。それまでの積み上げが発揮されているかに価値が置かれていない。その試合のルールの中で勝つことができるかに価値が置かれています。

戦術の大別

サッカーでその事を考えます。攻撃時のチーム戦術をポゼッション戦術とロングボール戦術に大別します。

ポゼッション戦術は、グラウンダーパスを主体で相手陣に迫る戦術とします。

ロングボール戦術は、フライパスを用いて相手陣に迫る戦術とします。

パス7本で負けギャンブル

グラウンダーパスのメリットは、フライパスに比べてトラップミスが起きにくい事です。デメリットはフライパスよりも距離を出せません。

フライパスのメリットは、グラウンダーパスより距離を出せます。もグラウンダーパスと比べてトラップミスが起きやすい事と対空時間の間に相手のアプローチが間に合いやすい事です。

ではグラウンダーパスの成功率を90%、フライパスの成功率を50%としましょう。これらの確率は相手と自分達の能力に依存することは言うまでもありません。

フライパスを用いて相手陣侵入を目指す場合を考えます。フライパスは1本のパスで相手陣侵入を目指すので、パス成功率がそのまま相手陣侵入成功率に換算されます。よってロングボール戦術による相手陣侵入成功率は50%です。

一方、グラウンダーパスを用いて相手陣を目指す場合を考えます。ポゼッション戦術の場合、相手陣侵入までにパスを複数本要します。相手陣侵入成功率は、グラウンダーパスの成功率に相手陣到達までのパス本数を累乗したもので表せます。この式に当てはめると、パス7本で、相手陣到達成功率は0.9^7=0.47で47%です。フライパス1本の確率を下回ります。

グラウンダーパスを用いた前進に7本以上のパスを要することは往々にしてあります。

勝ちギャンブルにするには

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