音を売るのではなく体験を売るのが音楽ビジネス
昔も今も変わらないのは、場所や表現スタイルが違っても、歌や演奏を生で聴いてもらって楽しんでもらうことですが、録音してレコードとして販売するという歴史が始まってから、音楽ビジネスは大きく様変わりしました。
レコードは1870年代後半にエジソンが発明したことで知られていますが、本格的に商品化されたのは1900年代に入ってからです。
音楽を録音して販売することに対して、当時の歌手や演奏家はコンサートに客が来なくなると思って反対したようですが、結果はそうではありませんでした。
1900年代はレコードからCDへとメディアは変わりましたが、録音物を販売することで音楽ビジネスは大変な盛り上がりを見せました。
そして2000年代に入ってその歴史がまた変わろうとしています。
ただ、それは本来の姿に戻ろうとしているということなんですね。
生で音楽を聴いてもらい、感動や喜びの体験を味わってもらうこと。
これは昔も今も、そしてこれからずっと先も変わらないことです。
だから音楽アーティストにとってライブは生命線なんです。
人はその感動を何らかの形で持ち帰りたいので、CDやグッズを購入したいという衝動にかられるのです。
購買意欲が高まるきっかけは、そのライブがとても素晴らしい内容で、感動や興奮を味わえたことなのです。
つまり、結果的にモノを売っていますが、体験を売ると言い換えることができます。
体験を、その日の記念としてモノという形にして持って帰りたいのです。
CDをプロモーションして売ることが中心だったビジネスは終了しました。
その売り上げ額は莫大な金額だったので、以前はCDさえ売れていれば、ライブなんてプロモーションの一環としてやっておけばいいみたいな風潮がありましたが、今は誰もそんなことは考えないでしょう。
感動できる素晴らしい内容のライブができることが前提で、CDやグッズのライナップを充実させることです。
グッズの充実に関しては明日続きとして書きますが、グッズに関しても発想を変えていけばかなり面白いことができます。
まだCDを売ることにこだわっているアーティストもいますが、その古い価値観を捨てていかないことには時代の変化に対応できません。
音楽で生計を立てたいなら、まずアーティスト自身がビジネスマンになることです。
ライブの充実を図ることで、CDを含むグッズの売り上げに繋げていく。
ここが理解できないと、これから生き残っていくのは難しいでしょう。
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