レコード会社にいた時に感じた違和感
28歳の時にアルバイト契約でCBS/SONY(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)に入社したのですが、入社当時に上司から今までの職歴を聞かれて答えたところ、「そろそろ落ち着いた方がいいね」と言われました。
バンドマンやライブハウス店員やモデルのマネージャーなどなど、職を転々としていましたから、一つの職場で腰を据えて仕事をした方がいいよというアドバイスだったのだと思いますが、その一つ一つが自分にとって重要な経験だったので、言われた時には「何でそんなことを言われなければならないのか?」というのが正直な印象でした。
同じ仕事を続けていくことがいいことだという風潮には、違和感を感じていたからです。
その後、社内の先輩や同僚と将来の話をしていても、この会社のどの部署に行きたいか、どんなポジションになりたいかという話ばかりで、ほとんどの人が定年まで会社にいるつもりだということが、自分にとっては新鮮でした。
当時は自分がみんなと違って変わっているのだと思っていましたが、それが社会の一般的な考え方だったし、否定するつもりもありませんでしたが、みんなが同じレールの上を走っていくというのには、当時から抵抗がありました。
人事異動でも、突然会社から指令が出るわけで、それが自分のやりたいことでなくても、会社の指示に従うというのもどうなのかと思っていましたが、それよりも何よりも、社員は文句も言わず従っていることが不思議でなりませんでした。
先日、「契約を交わす相手との間に主従関係はない」という記事にも書きましたが、会社も同じで、入社した時から主従関係になることにはとても違和感があります。
ピラミッド型の社会というものが人間を支配してから長いですが、それが当然と思わされてきたことに気がつかなくてはなりません。
自分がこの会社でこんな技術を身につけたいとか、こういう経験を積みたいと考えているならまだしも、会社に入ることが目的になっているとしたら、それはもう思考が停止していると言わざるを得ません。
上からの指示にしたがい、管理されることに慣れ過ぎました。
自分というものを取り戻し、自分で考え行動を起こすというスタイルになるべく早く切り替えましょう。
今までのシステムや会社というもののあり方が時代に合わなくなったのはハッキリしています。
そしてこれからもっともっと加速していきますから、もし気づいているなら、もう迷っている場合ではないということを知ってください。