自分がメディアを持てる素晴らしい環境
かつてはマスメディアを通してしか情報を発信することができなかったので、マスメディアを上手に使うことができれば、どんなビジネスでも流れに乗せることができました。
テレビや雑誌に取材してもらうことで世の中に広く知れ渡ったので、タレントでも飲食店でも、マスメディアに扱ってもらうことがとってもありがたいことだったのです。
ところがインターネットの普及により、個人で発信できるようになったことで立場が逆転し、今ではマスメディアが、インターネット上の個人の発信を拾って拡散することが多くなり、数多くあるメディアの中の一つになってしまいました。
元は情報源だったマスメディアが、個人が発信する一次情報を拾っているということは、いずれは必要なくなるということでもあり、10年前には想像もつかなかったことが現に起きています。
芸能界はマスメディアと密接な関係にあったので、事務所にとってはマスメディアとどれだけ上手にお付き合いするかということが、自社のタレントの生命線でもあったのですが、YouTubeを筆頭に動画を配信するサイトがたくさんできたことで、マスメディアを必要としなくなったタレントもたくさんいるし、その流れで事務所を辞める人も増え続けています。
つまりマスメディアに対して力がある事務所に所属することがメリットだったので、自分でメディアが持てるならいらないってことなんです。
ユーチューバーやライバーなど、ネットで有名になった人たちの中には、最初から事務所に所属せずフリーで活動している人も多いです。
有名になって収入も増えたことで、スタッフやマネージャーを雇うというスタイルは、どちらかというと欧米型のマネイジメントに近いですね。
日本のように事務所に所属するという形ではなく、自分のためにスタッフを雇うというのは、全く異なるマネジメントシステムです。
音楽でいうと、昔は自分の作品や歌っている音源を、レコード会社や音楽系の事務所に送って連絡が来るのを待ったり、オーディションを受けてきっかけを掴む、もしくはライブで集客できるようになってスカウトされるとか、それくらいしかプロになる方法がなかったのです。
今は実力とアイデアがあれば、他の誰かを頼らなくてもプロになることはできるし、しかも国内だけでなく海外に向けてアピールすることができます。
ほとんどのマスメディアは国内向けですが、インターネットは世界に向けて発信できるからです。
それともう一つ大きく変わったことは、昔はレコード会社や事務所、マスメディアが東京に集中していたために、音楽でプロになるには東京に行くしかなかったのですが、ネットさえ繋がっていれば全国どこにいても活動できるし、プロとしてやっていくことも可能です。
東京には人も情報も多いので、その中で切磋琢磨しながら活動することもできるし、田舎でのんびり子育てしながら音楽制作することもできます。
これは個人の選択によるので、どちらかが正解ということではありません。
僕が選択したのは道南という自然豊かな場所で、地元を拠点にしながら活動するアーティストをバックアップすることです。
そのためにhakoniwaというオープンマイクイベントやWONDER LIVEというステップアップしていくためのステージをプロデュースしています。
ライブハウスなどの活動する場が少なかったり、プロモーションする方法がわからなかっただけで、優秀なアーティストはたくさんいるので、その成長の過程も発信していけたらと考えています。
個人でメディアが持てることのメリットを最大限生かして、道南から音楽を発信していくので楽しみにしていてください。
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