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コンビニ出店数、ピーク時の3割に:新規出店から地域貢献へのシフトの兆し

5分で読める、最新の経営ヒントを毎朝お届け。日経新聞の記事の中から、マーケッター視点で「今、知っておくべきデータ」をピックアップ。ビジネスマンの「やりたい」の成功確率をアップしてもらいたい!そのために、必要な視点やマーケティング戦略立案のノウハウを紹介しています。

記事の要約

2022年度のコンビニエンスストア調査により、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンなど大手3社の新規出店数がピーク時の3割に減少しました。これは市場の成長が鈍化し、賃料の増加などの費用が膨らんでいるためです。各社は1店舗あたりの収益向上に焦点を当てています。

セブンイレブンは前年度比6%減、ファミリーマートは10%増、ローソンは53%減となりました。特にローソンは首都圏での賃料上昇や店舗の質と採算性の重視が影響しています。

不動産サービス大手のアットホームによると、22年度下期の小規模店舗の賃料は東京9エリアで1.7%増となりました。コンビニの新規出店数はピーク時の3732店舗から約7割減り、市場の飽和とドラッグストアとの競争の激化が影響しています。

各社は1店舗あたりの収益向上に努めており、セブンイレブンは地域フェアで高単価商品を伸ばし、ファミマはプライベートブランド商品の拡充で売上を押し上げています。

新型コロナウイルスの影響からの経済正常化で人件費が上昇し、省人化投資も進んでいます。ファミマはロボットを導入し、ローソンはAIシステムで発注を支援する計画を進めています。

大手3社を含むコンビニ主要8社の22年度末の店舗数は微減しましたが、ドラッグストアの店舗数は前年度末比2%増、5年前に比べ1割増となっています。



新規出店数の変化と新たな成長指標

コンビニの新規出店数はかつて、我が国の景気のバロメーターとも言える指標という印象を持っていました。しかし、2022年度の大手3社の新規出店数はピークの3割に減少。この数字の解釈を変えるべき時期に来たのではないでしょうか。高齢化、人口減少社会において、新規出店数よりも意味のある企業の成長度合いを図る数字を探すべきだと僕は感じます。

例えば、アメリカの一部企業では、持続可能な成長を示すために、顧客満足度や従業員の幸福度などの新たなKPIを導入しています。日本のコンビニ業界も、新規出店数だけでなく、顧客とのつながりや地域社会への貢献度など、新たな評価軸を模索するべき時期かもしれません。

地域フェアと多様性の活用

僕が特に注目したいのは、セブンイレブンの地域フェアです。特定の地域にちなんだ商品を販売するこの取り組みは、日本という国の多様性を生かした、実に良い戦略だと思います。地域の特色を活かした商品開発は、地域経済の活性化にも寄与し、ブランドの強化にもつながります。

他業界の事例として、地域限定のクラフトビールや特産品を活用した観光業の成功も参考になるでしょう。地域と連携したビジネスモデルは、今後の成長戦略として注目されるべき方向性だと僕は考えます。

社会的役割の拡大と未来への挑戦

ドラッグストアの出店攻勢、2024年問題、慢性的な人手不足。様々な課題が山積するコンビニエンスストア業界ですが、最も来店頻度が高く、地域とのつながりを作ることが可能なスポットとして、新規出店以外の社会的役割の拡大について、注意を払っていきたいと思います。

例えば、地域の情報発信拠点としての役割強化や、高齢者向けのサービス提供など、地域社会への貢献を深化する取り組みが考えられます。また、AIやロボット技術の導入による効率化も、今後の業界の成長を支える重要な要素となるでしょう。


今日の問い

  1. 新規出店数以外の成長指標: 新規出店数が減少する中、企業の成長をどう評価するべきでしょうか?顧客満足度や地域社会への貢献など、新たなKPIは何が適切だと考えますか?

  2. 地域との連携: 地域特有の商品やサービスを提供することで、どのような価値を創出できると思いますか?地域と連携したビジネスモデルを自社にどう取り入れることができるでしょうか?

  3. 社会的役割の拡大: コンビニエンスストアが果たす社会的役割は何でしょうか?地域社会への貢献を深化するために、どのような取り組みが必要だと感じますか?また、新技術の導入による効率化はどう進めるべきでしょうか?


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