ジャイアン・リサイタルを開きたい!②会場を作るまで
承認欲求のためだけにVRの世界でジャイアン・リサイタルを開くことを決意したうさ山。そこに至る経緯については拙文『ジャイアン・リサイタルを開きたい!①』をご覧いただけるとありがたく存じます。今回はその後のお話となります。
まずは会場を作らねばならない
リサイタルを開くのであればまず必要なのは会場です!
VRChatでVRDJとして活動していこうとすると、普通であれば
・そういう系のイベントやVRクラブへ行く
・そこでなんかそういう方面に関心のある知り合いがたくさんできる
・実際にDJとかをやってていろいろ詳しい知り合いもできる
・オーガナイズしてる人とかとも知り合う
・「なんなら今度ちょっとDJやってみる?」みたいな話になる
・VRDJとしてデビュー!
という筋道をたどるのだと思われます。元々リアルのクラブでDJやってたような人は別として大体の人はそうなるはず。しかし悲しいかな、私はコミュ障なのでイベントとかに行って知り合いができたことはありません。誇張じゃなく本当にそう。いろいろ積極的に足を運んでみましたけど知り合いの一人すらできませんでした。これは逆にすごいことではないかと。そもそも私はフレ少なすぎてトラストランクが”TRUSTED”になるまでに5年もかかってます。VRCでそんな人見たことねえ……。
結局「めんどくさいもう会場ごと作っちまえ! そこで好きにリサイタル(DJ)したらいいさ!」これが私の出した結論でした。無謀すぎる。
ジャイアンリサイタル前史(黒歴史)
実はSLやってたときもDJバーごっこがしたくなってそういう空間を作ったことがあります。発想は全く同じです。ちょうどFuture BassとかFuture Funkを聴き始めた頃で自分の中で盛り上がってたんですよね。
このお店「SAIHATE」は名前はベタながら割とうまく作れたなと思っていてレガシーすぎるSLの環境にしては我ながらいいかんじにできたなと。(作った家具什器類はそのまま物販の商品にもなるので小銭稼ぎというモチベーションもありました)
結局はレンタルしたサーバから自作のゆるいMixを流してお客さんとチャットしてるだけではあるのですが、これはこれでなかなか楽しかった思い出があります。なにより自分がイメージした空間を自作して具現化し、そこにお客さんがきてくれるというのはある意味究極のお店ごっこです。
ただそこに流れていたのはKawaii系FutureBassのMixの合間にアクセントとして「アイカツ!」のアイキャッチの劇伴を入れてみたり「プリティリズム」の必殺技バンクのBGMを入れたようなものだったためにほぼ誰にも理解されることはありませんでした。アバンギャルドすぎ。
以上のような経緯で、今回のVRChatでの「ジャイアンリサイタル」に関してもロールモデルというか前史(黒歴史)が存在したことは記しておくべきでしょう。
どうせ作るのならこうしたい!
以上のような黒歴史もふまえて、
ワールドを作る前にゴールの設定はいくつか考えました。
とは言え当初はLTCGIのような「リアルタイムGI」は存在も用語も知らなかったので、「ゴーストクラブとかで照明とか映像が綺麗に床とかに映り込んでるかっこいいやつがやりたい!」くらいなかんじではありましたが、まとめると以下のようになります。
①建物やプロップ類は基本的にアセットを使わずフルスクラッチする
②可能な限り見栄えの良いものを作る(リッチめのPBRシェーダー)
③リアルタイムGIのような演出性の高い技術を取り入れる
④大箱ではなく小さくて狭いけどシャレオツな空間を目指す
⑤体感上のスケール感にある程度厳密に
⑥「クラブ」という記号をステロタイプ寄りのものにしない
4に関しては、そもそもそんなにお客さん呼べないのでせいぜい10人くらい入れればいいかなと。(ジャイアンもそんなかんじでしたし)そもそも「VRChatイベントカレンダー」とかに掲載するつもりもないので5人も来ないかもしれません。だとしたら大仰で大規模ないかにもな大箱のクラブ空間にするのも恥ずかしいな~と。要約すればそういうことになります。
とりあえずBlenderを開いてみたものの
で、ワールド制作に取り掛かるわけですが、これが大体今年の5月の連休くらいでした。しかしながらVRCのワールドの作り方をググっても出てくるのは「まず板を置きましょう!」みたいなやつばっか。UnityはよくわからんしSDKとかもよくわからん。しかも近年はCreatersCompanionとか導入されてますますイミフ。どれも一度やってみればどうってことはないのですが、その最初の第一歩がなかなか。そしてかんじんの板置いてスポーンポイント設定した後の進め方がわからない!
一応Blenderは自己流で少し使うのでマテリアルとかテクスチャとかシェーダーみたいな「概念」はわかってはいるのですが、つまりはUnityでどうしたらいいかがわかりませんでした。正確にはわかるんだけどどうやって制作を進めるのが最も良いのかがわからないのです。
なのでいったんUnityのことは忘れて、Blenderの中で好きに作ってみることにしました。最悪fbxにしてUnityにぶっこめば何とかなるだろう精神で。
ますは適当な大きさの箱作ってブース置いて、いきなり会場にスポーンするのもあれだから通路っぽいのも作って……
という感じで少しずつ作業した結果、こういうかんじのものができてきました。良くもないけど悪くもない。でもまあとりあえずはこんなかんじ?
とりま具体的な形ができたのは大きな進歩です。
こうして実作業フェーズに突入したジャイアンリサイタル計画ですがまだまだやらねばならないことは数多くあります。
紙幅も集中力も尽きましたのでこの先はまた別の機会に……。
続く
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