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未来は君の手のなかに
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この海岸が私を呼ぶのは何故だろう...まるで手招きしているように。
ひとは時の糸で編まれた巻物を握って生まれてくる… 石に手を触れていると、そんな夢想が過ってゆく… 私の何かが呼応するそんな石...探して見つかるわけもなく、呼ばれているとしか言いようのない出遭いでもある
たなごころに綴られた秘密をそっと紐解いてゆくように、この石は記憶を紡ぎだす。刻印された線に折り畳まれた次元が息を吹き返すように花開いてゆく...糸...絃...弦...
いのちを得た弦を以って何を爪弾くのか… 幾つもの次元を旅した風を含んだ糸で何を織るのか… 縦糸に…そして横糸に手繰り寄せられた絃が物語を奏でてゆく...
時のいろどりに染められた糸は、いま手のなかに花開き、君の呼びかけを待っている...君が思い出してくれたら、糸は変幻自在にその秘密を語ってくれるだろう...それは生まれる前に交わした約束だから...
思い出してください...君の約束を...
秘められし糸のみちひきいくとせの絃音に結ぶ行く末のみち