熱き海の言霊
それは明滅の律動を貫く稲妻のなかに
その姿を現わした...
時空が渦巻く幻影のなかに
空と海とが呼応し
それは秘められた言霊となって
虚空へと放たれた
それは空と海のあわいを震わせて
熱き血潮となって響きわたった
稲妻によって言霊は
大地に焼き付けられてゆく...
石によって記憶された言霊は
語り部を求めて心を叩く...
............
赤き血をもつ者たちよ
ことばの剣を置きなさい...
紅き血を知る者たちよ
ことばの海へ還りなさい...
............
その声は大地に零れた血への
祈りのように響いている
海をはなれた者たちへの
嘆きのように...
ことばを忘れた者たちへの
憐みのように...