知の亡霊
さまよえる亡霊が
いにしえの森を根城にした
そして言葉を忘れた者たちの
新たな偶像となった
人々が食い散らかした
貝塚の墓守のように
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亡霊のことばを
シャレコウベが歌っている
幾多のシャレコウベが
踊りながら回っている
鼓動を忘れたことさえ知らずに
乾いたことばを口ずさむ
捧げられたはらわたを食らいながら
肥大化した偶像は神となった
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己が姿を知らぬ者は
干からびた衣を纏い
けたたましく笑っている
虚ろなシャレコウベを隠すように
偶像の礎には
紅き碑文が刻まれていた
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知のことばを崇める者は
知の奴隷となるだろう
知の歌を聴く者は
道を照らす伴侶を知るだろう
森のことばを聴く者は
己が血脈を知るだろう