すてふ

文学と胃薬に生かされれています。主に島崎藤村の話をします。

すてふ

文学と胃薬に生かされれています。主に島崎藤村の話をします。

最近の記事

映画「蒲団」:感想

 映画「蒲団」見てきました!原案の田山花袋『蒲団』とはかなり人物造形や動かし方など異なる印象で、そこを含めて興味深く拝見しました……!   以下、自分用の感想を含めた雑記になります。一度しか見ていない+映画鑑賞は初心者なので適当に思ったことの殴り書きですが、自分の中で感想を留めておきたかったので覚書として記しておきます……!  原案と異なる点を含めてネタバレを盛大に含むのでご注意ください。 人物について※原案の登場人物に触れる際は「」を使い、映画の登場人物に触れる際はその

    • 藤村生誕150周年記念 馬籠旅行記 ①藤村記念館編

      小諸に行ったおよそ1週間後、馬籠にて開催されていた「島崎藤村生誕150年記念 第10回 中山道馬籠宿場まつり」に参加するべく、藤村生誕地でもある岐阜県中津川市の馬籠に行ってまいりました。 1泊2日と短めの旅程ではありましたが、初めての島崎藤村生誕地――ここで藤村が幼少期を過ごしたのだと思うと、街の隅々が藤村所縁の地であるという実感がジワジワ湧いてきて、小諸に勝るとも劣らない充実した時間を過ごすことができました……! 馬籠についてさて、今回の馬籠旅行についてお話する前に、簡単

      • 藤村生誕150周年記念 小諸旅行記 ④番外編(軽井沢~信濃追分)

        ①~③と続いてきた小諸旅行記ですが、最後に小諸から電車で30分弱の距離にある軽井沢~信濃追分周辺エリアにある文学スポットをご紹介して終わりにしたいと思います……! 軽井沢周辺室生犀星記念館 まずは軽井沢駅から徒歩25分ほどの距離にある「室生犀星記念館」にお邪魔してきました! 25分というと中々距離があるようにも思われますが、後半は軽井沢のメインの通りを歩くので両側も色々なお店などありお散歩にはもってこいの楽しい道です。雨の日や疲れているとき記念館から徒歩5分程度のところ

        • 藤村生誕150周年記念 小諸旅行記 ③小諸駅周辺編

          前回、前々回に引き続き、今回は小諸駅周辺にある藤村ゆかりの地+文学関連スポットをご紹介したいと思います……! 揚羽屋 まずは! 藤村ゆかりの一ぜんめし屋、「揚羽屋」さん! 小諸駅から徒歩2分ほど、通り沿いの壁には藤村の写真が掲げられ、一目で「藤村ゆかりのお店」ということが分かるようになっています。 揚羽屋さんはその名前が『千曲川のスケッチ』その八、「一ぜんめし」という章にも登場していますので、ご存知の方も多いかもしれません。 揚羽屋さんは藤村が看板を書いたことでも有

          藤村生誕150周年記念 小諸旅行記 ②中棚荘編

          前回の「懐古園編」に引き続き、今回は小諸にある藤村ゆかりの温泉宿、中棚荘さんについてご紹介していきたいと思います……! (例によって、手ブレ等でうまく撮れていなかった箇所については2021年にお邪魔した際の写真を使用しています……) 中棚荘と島崎藤村 小諸といえば! 藤村ゆかりの温泉宿、中棚荘さん……! ラウンジでは藤村直筆の手紙や原稿、初版本などを見ることもでき、廊下やロビー、温泉場の脱衣所にまで藤村直筆の拓本がいくつとなく飾られている、まさに藤村づくしの旅館です! 藤

          藤村生誕150周年記念 小諸旅行記 ②中棚荘編

          藤村生誕150周年記念 小諸旅行記 ①懐古園編

          島崎藤村生誕150周年を記念して、藤村所縁の地、信州は小諸に行ってまいりました……! 2泊3日で回りきれなかったところも多々ありますが、小諸~軽井沢の辺りには藤村はじめ様々な文学関連スポットがあり大変楽しい充実した3日間を過ごすことができました。 小諸には記念館だけでなく藤村所縁の場所やお店なども多く点在し、街の方々もたくさん藤村の話をしてくださるので、藤村文学好きの方にはとってもお勧めの旅先です……! 今回、2泊3日で周った主な文学関連スポットは以下の通りです。 小諸周

          藤村生誕150周年記念 小諸旅行記 ①懐古園編

          岩波書店『島崎藤村短篇集』の感想文

          『島崎藤村短篇集』がとても好きでしたという感想文です。  先月発売された『島崎藤村短篇集』、解説・略年譜込みで400ページ超えのボリュームで「津軽海峡」「並木」「死」「芽生」、「人形」「平和の日」「柳橋スケッチ」「沈黙」「ある女の生涯」「子に送る手紙」「嵐」の藤村短篇小説の中でも特に有名だったり読み応えのある11作品が収録されています。出ると聞いてからずっと気になっていたのが、「どういう指針に基づいて作品を選んだんだろう……」という点でした。藤村は比較的短篇作品の数が少ない

          岩波書店『島崎藤村短篇集』の感想文