【0カラ】第4回WSレポート後編|なみ
お昼の休憩も終わり、皆さまリラックスした中でストレッチなどを始めていきます。
開場は13:30からでしたが、その前に少しワークがあります。
…と、そろそろ始まるかなという頃!
なんと前日に積もった雪がとけ、会場の天井(正確にはビニール)から雨漏りが!!!
なかなかな量の水が打たせ湯のように落ちてきます!
幸い誰も濡れることなく、、黒岩さん、キザムさんがすべての水を落とすという対応してくださいました!
予期せぬこともあっておもしろいですね!!!
ちょっとわくわくしてしまいました…!
(対応してくださったから言えるんですけどね…!いつも会場整備ありがとうございます!)
ワークは再開します。
3人一組で、プレイヤー(動く人)、コピー(プレーヤーの真似をする人)、オブザーバー(観察する人)、に分かれてやっていきます。
まず、プレイヤーが音楽の流れる中、背骨を意識して動きます。
そして、それをコピーが真似します。
完全にコピーしなければいけないわけではなく、一部分だったり、印象的な部分だけでも構いません。
最後、終わった後にその二人の違いや感じたことをオブザーバーが意見していきます。
そして何度か、役割を変えて。
このあたりから、開場していて舞台側でワークが進んでいく中、客席にはお客さんもちらほら入ってきます。
でも、お客さんもそれぞれお話をしていたり、とても開かれた感じです。
そして、このワークとてもおもしろかったです!!!
わたしは最初オブザーバーで2人の動きを見させていただきました。
プレイヤーの動きはそれぞれの癖や個性が出ていて、コピーではプレーヤーの特徴はもちろんですが、コピーしている人の特徴もみられるんです!
オブザーバーとしてみれるからこそ、興味深いなーと思いました。
そして、自分がコピーする側へ来てみると、あぁこんな風にも動くことができるのかと自分自身のカラダへのアプローチが広がっていくのが分かりました!
さらに、自分がプレイヤーとしてコピーを見ると、これは絶対わたしの癖だな!という動きがみえてきます!
でも、それは全然嫌なものではなく、「すごい!おもしろい!」という感覚の方が先にきました!
3回目の役割交代の時にショーイングがゆるっと始まります。
「今から始めます!」といった区切りではなく、「今こんなことをやっています。後ろ向いているので、ちょっとだけお客さんの方を向いて意識してみますか(笑)」といった具合に始まります。
今回のショーイングは、
ワークショップをそのままみせる、いつもやっていることをみてもらうというところがメインになっています。
ここで鈴木ユキオさんからもお客さんに対してそのことについて説明があります。
本当にいつものワークショップにお客さんが入っている感じです。さらに続いていきます。
背骨を意識して腕を反対に動かしていきます。
腕同士が反対に向かう、自分の意識とは反対に向かうなど、どんな反対でも大丈夫です。
これは以前までのワークショップの中で行われたものですが、音楽がつくとまた違ってみえます。
さらには空間に対して、軌跡を残すことを意識して。
こちらも音楽がついて、さらに紫の照明が当たることで
不思議な空間が生まれていきます。
遠くで子どもたちのにぎやかな声も聴こえてきます。
鈴木ユキオさんのお子さんや、参加者のお子さん、お客さんのお子さんもいました!
さらには午前中に行った、順番に空間に入っていくワーク。
空間を良くすることを意識していきます。
絞られた照明があたる中、今度は音楽もなく、粛々と形ができていき、そして何もない状態に戻っていきます。
やっている時はそんなに意識していませんでしたが、
見直してみると先程とは空気感が変わりますね…。
さらに、順に空間に入り、尻文字を書いていくという
今までのワークが複合的になったものが始まります。
自分はこの空間のどこに入ったらいいのか、どのように動いていくのか探っていきます。
音楽も流れないひんやりとした空気感の中、少しずつ空間に人が増え、それぞれ動いていきます。
みなさん動き続ける中、だんだん音楽が流れ始め、場が盛り上がってきます。
そしてそのまま区切りなく続いて、言葉にカラダを反応させていくワーク。
これは、全く打ち合わせなく始まったのですが、皆さん見事に対応されています。
ふと意識した隣の人が同じ形だったり、全く違う形になったりしているのを見るとわくわくします!
そして、徐々に音楽が加わっていき、最後は、今までやったことを意識してそれぞれ自由に動いていきます。
鈴木ユキオさんも含め、総勢11名のダンスです。
これまでやってきたワークも照明・音楽がついたり、お客さんが入ることによってまた違った状態が作られていくように感じました。
熱量も…なんだか違います…。
そして、終了。場が盛り上がって、一体感が生まれている感じがします!
皆さん息が上がったり、汗をかいていたり、それぞれ充実感が得られているのではないでしょうか。
息が整わないまま、汗をふきながら、アフタートークになります!舞台となった場所で鈴木ユキオさん、菜緒さん、野村さん、参加者の方々が客席と向かいあう形で始まります。
黒岩さんのなごやかな進行のもと、お客さんから感想をいただきます。
「エネルギーが盛り上がっている感じがあった」
「模索している姿が美しい」
「自分の世界を探求する姿」
「子どもたちの声、話し声、風の音の日常の中にダンスがあることで空間が変わる」
「最初はこちらがドキドキしていた」
「言葉で突然同じ光景になることがおもしろい」
「自分自身もだんだんほぐれていく状態になってくる」
「子どもも興味があったみたいで」
「家でみんなでやってもおもしろそうだなって」
「最後は人ではなく、何か、感情が動いていく感じがあった」
「感じたことを素直に表現していたダンス」
アフタートーク中も近くでお子さんの遊ぶ声が聞こえたり、お子さんが客席や会場をうろうろしたり、とてもアットホームで、客席と舞台の境目がないような感じです。
お客さんとの一体感も、そんな空間だから生まれやすくなるのかもしれません。
参加者からも感想を聞きます。
参加者の森田さん。参加者唯一の男性です。
「やっぱ男性人口増やしたいな、と思ってやっているんですけど。僕はカポエイラを20年やっているんですけど、冒頭のワークで、自分の動きをコピーしてもらっての感想で言われたのが、こう上を見ているんだけど、隙が無い。で、第三の目があるような。下を見てても、隙が無い。入り込む隙が無いって言われて。良くも悪くもそれがしみついているんだなって。やっぱカポエイラって戦いなので。絶対相手から目そらしたらやられる可能性があるから。やっぱこういうカポエイラと違うところでもそれがが出てしまうんだなって改めて実感しました。」
そして梓さん。
「今日ワークショップ4回目で、毎回毎回ユキオさんの投げかけで、こんなところもおどりに参加できるんだって、ここも私こんなに動くんだっていうのが、獲得していく度に喜びがすごくて。空間がどんどんどんどん盛り上がっていくのをすごく感じて、普段このクジラのおなかの中みたいな、空間の中で、なんか自分も自由におどれて、毎回毎回自由に参加させていただきました。ありがとうございました。」
長野県文化芸術活動推進支援事業に選定された今回のプロジェクト、
文化振興コーディネーターの野村さんからも感想をいただきます!
「照明もついて、パフォーマンスしているの見て、ほんとまさしく脈打つ劇場だなって思って。(会場に貼ってある)薄い膜自体も一緒にパフォーマンスしてるって感じる時間があって。ユニークなところだからこそ生まれてる、ユニークなパフォーマンスになっているなって思って。
不思議に一人ひとりの方のおどりが充実しているってことは本当に心に響いてくるなって毎回思っていて、今日もそういう感じがして、なんていうかシンプルにワークショップのショーイングをやっているってことにも関わらず、ちょっとこう心打つ時があるっていうのがなんか本当にいいなって思いました。
密接な関係のパフォーマンスってなかなか触れられないことが多いってのもあってかとても大事な時間だなってことを実感しました。」
そして最後に鈴木ユキオさんから。
「お試しから継続してやりませんかっていうことで集まっていただいた方々だったので、熱意っていうのか、いわゆる「ダンスをおどりたいんです!」っていうだけじゃなくて、自分への探求心がある人達がすごく多かったんですよね。それが多分僕と波長が合うっていうか、波長が合うって僕が勝手に思っているんですけど(笑)
ショーイングに向けて、見せなきゃいけないって、当然ですけど、まとめあげなきゃってプレッシャーもあるけれど、僕が変にまとめてしまうのはちょっと違うかなと思っていました。毎回毎回ほんとに真摯に自分に向き合って変わっていく姿こそ、そのプロセスこそがすごい重要だというようには感じていて、多分そういう感覚の人たちが集まってくれているような気もするんですよね。そこがすごく魅力的っていうのかな、自分に集中しているっていう。で、それをそのまま今日もみせたいなっていうのがあったし、まぁみせるって思わなくてもいいぐらいの感じで。
ここの場所では、もっともっと自由な発想でできるんじゃないかって思ってます。そういう自由さがここにはあるって思うし、それを受け入れる土壌があるっていうのかな、器量がある、大きいですよね。すごくいい出会いを、場所をふくめてできたかなっていう。もし継続していたら、新しい形になったり、ソロが生まれるかもしれない。グループ作品が生まれるかもしれないし。こうしなきゃ、じゃない感じで、自分で探求しながら、何かが生まれる感じを共有する仲間として続けていけたらおもしろいんじゃないかなとは思っていますが、どうでしょうか」
(拍手)
お客さんの感想を聞いて、ワークショップをする中で、鈴木ユキオさんが意識をもっていたことがこんなにもピンポイントでお客さんに伝わるんだなってことがとても不思議でした。
全く言葉を使わないのに、自分自身で感じていたことがお客さんから感想として出てくることは不思議で、すごく感動します。
ブルーベリーガーデン黒岩という直売所であったり、劇場であったり、くじらのおなかであったり、宇宙船であったりするこの空間で自分自身のカラダに投げかけ、集中して他人と共有していく。
とても良い経験でした!
鈴木ユキオさんのお話にもありましたが、ブルーベリーガーデン黒岩、わかち座はとても自由で開かれています!!!
ぜひこの後、ここやどこかで活動が広がっていくのをみるのが非常に楽しみです。
今年度のワークショップはここで終了ですが、今回の経験が、ここでなくても、おうちでも、道端でも何かちょっと思い出す経験であればいいなと思います!
きっと来年度からも続いていくのでしょう!
なので、ぜひ!
また次回、お会いしましょう!!!
写真:成田明加(劇団野らぼう)
筆者:なみ(わかち座)
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