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2025年2月1週 鉄鋼産業CN(脱炭素)ニュース
今週は国内の製品関係のニュースが多かった。
▮<国内・製品>東京製鐵/「ほぼゼロ」厚板をシンガポール商社に販売
*(2025/2/6 東京製鐵)シンガポールの有力鋼材商社Steelaris社に約3,000トンの「ほぼゼロ」厚板を販売
https://www.tokyosteel.co.jp/assets/docs/top/top_20250206-01.pdf
東京製鐵はシンガポールの鋼材商社Steelaris社に対して、グリーン鋼材「ほぼゼロ」の厚板を累計3,000トン販売したことを発表
この「ほぼゼロ」は、非化石証書やデマンド・レスポンスを活用し、製造時のCO₂排出量を大幅に削減した商品
シンガポール政府の「Singapore Green Plan 2030」に基づき、2030年までに全建物をグリーン化する計画に対応しており、グリーンスチールの需要が急拡大
東京製鐵は製品別の環境製品宣言(EPD)取得やミルシート(鋼材検査証明書)への環境情報の記載など、透明性のある情報提供を行っている。
→ 過去記事
日本製鉄低CO2厚板 シンガポールの問屋に販売 2023_12_2W
今回と同じSteelaris社向け
JFE シンガポール鋼材問屋に低炭素鋼材(厚板)販売開始 2024_2_1W
Hock Seng Hoe社向け
Salzgitter シンガポールにてアジア向けグリーン鋼材拡販 2024_3_2W
今回と同じSteelaris社向け
▮<国内・製品>JFE/グリーン鋼材「JGreeX®」の方向性電磁鋼板が愛知電機向け産業用大型変圧器に採用
*(2025/2/3 JFE)産業用大型変圧器にグリーン鋼材「JGreeX®」が採用
https://www.jfe-steel.co.jp/release/2025/02/250203.html
JFEスチールのグリーン鋼材「JGreeX®」が、愛知電機株式会社の産業用大型変圧器に採用されることが決定(採用鋼材品種は方向性電磁鋼板)
「JGreeX®」は、鉄鋼製造プロセスにおけるCO₂排出量を大幅に削減した環境価値の高い鋼材であり、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みの一環として採用
愛知電機は脱炭素化に貢献する製品の開発・販売を推進しており、今回の採用はその取り組みの一環です。
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▮<国内・製品>日産/グリーン鉄の採用を5倍に拡大 神戸製鋼所に加え、日本製鉄、JFEスチール、POSCOも
*(2025/2/7 日産自動車)日産自動車、日本市場でグリーン鉄の採用を拡大
https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/250207-01-j
日産は2023年より神戸製鋼所の「Kobenable® Steel」を採用するなど、日本市場において、いち早くグリーン鉄の導入に取り組んできた。
今回、新たに日本製鉄の「NSCarbolex® Neutral」、JFEスチールの「JGreeX®」、ポスコのCarbon reduction allocated steelも採用し、グリーン鉄の使用量を大幅に拡大の予定
なお、これらのグリーン鉄は、製造時のCO2排出量をマスバランス方式で削減しています。
2025年度に日本で生産する車両全体の鋼板使用量に占めるグリーン鉄は2023年度比で約5倍に増加する見込み
![](https://assets.st-note.com/img/1739460027-90zEO5tgsxGLrpc47UqYeXj8.png?width=1200)
*(2025/2/7 日本製鉄)日産自動車株式会社の量産車に日本製鉄のグリーンスチール「NSCarbolex Neutral」が採用
日産自動車の量産車に、日本製鉄のグリーンスチール「NSCarbolex Neutral」が採用
「NSCarbolex Neutral」は、鉄鋼製造プロセスでのCO₂排出量を削減し、環境価値を具現化した製品
日産自動車は、2050年までに事業活動および製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを達成することを目指し、
「ニッサン・グリーンプログラム (NGP2030)」を通じて、2030年までにCO₂排出量を2018年比で30%削減することを目標としています。
今回の採用は、同社のScope 3上流における温室効果ガス排出量の削減に貢献し、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの一環
→ JFE、POSCOからのリリースはない。
→ 神戸製鋼の「Kobenable® Steel」を採用時のリリース
*(2022/12/19 日産自動車・神戸製鋼所)日産車への神戸製鋼所の低CO₂高炉鋼材及びグリーンアルミニウム原料を用いたアルミ板材の適用について
https://www.kobelco.co.jp/releases/files/20221219_1_01.pdf
2023年1月以降、神戸製鋼が商品化した低CO2高炉鋼材「Kobenable Steel」とグリーンアルミニウム原料を用いたアルミ板材を日産車に適用していくことを発表
日産は、2050年までに製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現することを目指しており、車両の製造時にCO2排出量を削減するために、これらの環境配慮型材料を採用します。
「Kobenable Steel」は、高炉工程におけるCO2排出量を大幅に削減した鋼材であり、今回の適用は量産車への初採用
▮<国内・製品>グリーン鋼材(JFE「JGreeX®」)採用船への世界初のMGO専焼エンジンおよび風力補助推進装置搭載
*(2025/1/30 商船三井ドライバルク)環境に配慮した多目的船「Prima Verde」が竣工~世界初、グリーン鋼材採用船へ MGO専焼エンジン・風力補助推進装置を同時搭載~
グリーン鋼材採用船へのMGO専焼エンジンおよび風力補助推進装置の搭載は、多目的船のみならず世界初
商船三井ドライバルクが運航する多目的船「Prima Verde」が、2025年1月30日に竣工
この船は、環境に配慮した特徴を持つ世界初の多目的船であり、以下の要素を備えています。
JFEスチールのグリーン鋼材「JGreeX®」を船殻に採用し、CO₂排出量を大幅に削減
ジャパンエンジンコーポレーションの燃焼効率の高いMarine Gas Oil(MGO)専焼エンジンを搭載し、二酸化炭素の排出を抑えます。
ECONOWIND B.V.の風力補助推進装置「VentoFoil」を2本搭載しており、燃費の節減と温室効果ガス(GHG)削減効果が見込まれています。
![](https://assets.st-note.com/img/1739459742-FmQhH3AR2xzZCjGt94idfr8O.jpg?width=1200)
→ 関連記事 JFEのグリーン鋼材の船舶への適用
JFEのグリーン鋼材を全量使用のドライバルク船進水(世界初) 2024_6_1W
▮<国内・経営>日本製鉄およびJFEの2024/3Q決算発表でのカーボンニュートラルへの言及
*(2025/2/6 日本製鉄)波崎研究センター小型試験電炉(10t/ch)設置完了・試験開始、Super-COURSE50試験高炉 CO2削減▽43%達成
https://www.nipponsteel.com/ir/library/pdf/20250206_300.pdf#page=65
*(2025/2/6 JFEホールディングス)倉敷電気炉、GX移行債を活用した支援事業に採択。既存大型電気炉で製造し得なかった高品質・高機能鋼材の大量供給体制を他社に先駆けて実現。国内グリーン鋼材市場のトップシェアを目標
▮<海外・経営>ArcelorMittal/2025年の脱炭素化プロジェクトへの投資縮小
*(2025/2/6 H2 View)アルセロール・ミッタル、2025年の大規模な脱炭素化プロジェクトへの投資を縮小
ArcelorMittal scales back 2025 investment in large-scale decarbonisation projects
ArcelorMittalは、競争力と適切な投資収益率を確保するために、脱炭素化の道筋の見直しをしています。
大規模な脱炭素プロジェクトは、政策や市場動向が不十分なため、当初の想定よりも遅いペースで進んでいます。
現在の投資は、 Gijón (Spain) での新しいEAFとSestao (Spain) でのEAF拡張に焦点を当てており、XCarbの低炭素排出鋼の提供をさらに拡大することを目的としています